こんにちは!シェリーです。
今回は、FXのナンピンマーチンゲール法を使用した自動売買の注意点や取引手法についての記事を書かせていただきました。
FXにはトレードにおけるテクニックのようなものがたくさん存在し、今回紹介するナンピンマーチンゲール法はその一つです。
このナンピンマーチンゲール法について、
・一体どんなものなのか
・そもそも儲かるのか
・どういった手法があるのか
・メリットとデメリット
以上のような疑問にお答えしていこうと思います。
本記事を読めば、きっとナンピンマーチンゲール法について深く知ることができるでしょう。
それでは、ナンピンマーチンゲール法とは一体何なのかという内容から解説していきます。
この記事の目次
FXのナンピンマーチンゲール法とは?
まず、ナンピンマーチンゲール法とはFXにおける投資手法のことを指します。
「ナンピン」と「マーチンゲール」という二つの投資手法を合体したもので、簡単に説明すると、
持っているポジションが不利な方向に動いた時、当該ポジションの倍のロット数で買い(売り)増しを実行し続ける
という、「超・攻め」の投資手法になります。
上手くハマれば膨大な利益を出すことができる手法ですが、メリットとデメリットがお互い強すぎて生半可なメンタルでは使いこなすことが難しいです。
ついては、ナンピンマーチンゲール法を使用する場合にはその性質を深く理解することが大条件となります。
ナンピンマーチンゲールの根幹である「ナンピン」と「マーチンゲール」は皆さんも一度は耳にしたことがあると思いますが、まずはそれぞれの手法について簡単におさらいしていきましょう。
ナンピンについて
ナンピンとは、保有している通貨ペアのレートが下がった時、更に買い増すことで自身の保有している当該通貨ペアの平均購入金額を引き下げるという方法です。
古くからある投資手法で、難平(なんぴん)という漢字まであるという伝統的な手法として知られています。
例えば、USD/JPYのレートが100円の時に100通貨分を購入し、その後価格が90円まで下がってしまった場合に、更に100通貨分を買い増すことで、
(100円×100通貨+90円×100通貨)÷200通貨
=95円
このように100円で購入してしまった通貨ペアを実質95円で買ったことにし、利益の水準を下げることができるという大きなメリットがあるのです。
100円で買っただけでは、100円を超えるまで利益が発生することは絶対にあり得ませんよね。
しかし、90円のところでナンピンを駆使すれば、95円を超えた時点で利益を出すことができます。
ナンピンは、上手く使えば容易に利益を出すことのできる画期的な手法なのです。
マーチンゲールについて
マーチンゲールとは、負けたらその倍額を買い(売り)続けると言うナンピンより攻撃的な投資手法です。
もともとギャンブルの世界で行われている手法であり、
負けるたびに負けた金額の倍額をベットすることで、最後に1回勝ちさえすれば最初のベット金額分の勝ち分となります。
これだけだとイマイチわかりづらいと思うので、具体例を挙げてみます。
例えば、今ルーレットで赤色(当たり確率50%)に1万円をベットし、外してしまいました。
なので、負け額の倍である2万円を再度赤色にベットします。
すると、また負けてしまいましたので、今度はその倍である4万円を再度赤色にベットします。
今度は成功し、8万円の払い出しとなりました。
ここまでで使用した金額は、
1回目の1万円
2回目の2万円
3回目の4万円
以上の合計7万円です。
最後に8万円の払い出しがありましたので、8万円-7万円=1万円の利益となりました。
最初にベットした金額と同額です。
さて、このマーチンゲールの何が凄いのかと言うと、資金が無限にあれば理論上絶対に負けないということです。
これをFXに応用すると、
買いを入れた通貨のレートが下落してしまった場合には、倍のロット数で買いを入れ直す
売りを入れた通貨のレートが上昇してしまった場合には、倍のロット数で売りを入れ直す
以上のことを利益が発生するまで行い続け、一気に決済することで損失を無かったことにするという方法です。
このナンピンとマーチンゲール法を組み合わせて取引を行うことをナンピンマーチンゲール法といい、それぞれ無謀とも思える投資手法ですが、莫大なリターンが期待できるのも確かなのです。
FXナンピンマーチンゲール法の自動売買は危険?儲かる?
さて、莫大なリターンが期待できるナンピンマーチンゲール法ですが、現実的にこの手法は儲かるのでしょうか。
答えは、
儲かるが、超危険
となります。
ナンピンもマーチンゲール法も、勝つまで続けることができれば利益は出ます。
しかし、そこに至るまでに資金が尽きたら破綻し、全てを失います。
また、利益を得るまでに時間がかかり、時間の割に利益額が少ないということも珍しくありません。
結論、資金力があればある程度儲かりますが、資金力が無ければ高確率で破産するという「ハイリスクローリターン」の最悪な図式になってしまうのです。
このナンピンマーチンゲール法を搭載している自動売買では、資金に余裕があれば儲かる可能性があると言えるでしょう。
FXナンピンマーチンゲール法の自動売買の取引手法とは?
さて本題ですが、ナンピンマーチンゲール法の具体的なロジックはどういったものになるのでしょうか。
その方法は非常にシンプルです。
保有しているポジションが不利な方向に動いていく局面において、
一定のレート間隔でロット数を倍にしながら買い(売り)増し続ける
のです。
例えば、最初に1ロットで購入した場合には、2ロット→4ロット→8ロットと買い(売り)増します。
ただ、こんなの普通の精神ではプレッシャーに押し潰され手を止めてしまうことがほとんどです。
しかし、自動売買の場合は無感情&機械的に行っていくので、ある意味では自動売買に適した方法だと言えるでしょう。
利益が望めるまで延々とポジションを増やし続け、価値が上がり利益が見込めるレベルに達した時点で一気に決済を行います。
そこまでの損失分を全て帳消しにし利益が出るのです。
ただ、利益が思いの他小さいものであることや、資金が耐えられなかった時(買い増しができなくなって破綻した時)のリスクを考慮すると、リスクがリターンを上回ります。
資金量が十分であれば、かなり安定して利益を出し続けることが可能でしょう。
しかしこの方法は、
10回目の負けの後に勝った場合
2回目の負けで買った場合
この2パターンの利益がそんなに変わらないという大きな弱点があります。
つまり何が言いたいのかというと、
非常にロジカルで夢のような手法ではありますが、勝負が長引けば長引くほど、賭けるコストと時間がリターンに見合わなくなっていくんですね。
具体例を挙げてみます。
①1ドル100円で1ドル買いました。
②その後1ドル90円になってしまったので、2ドル買い増しました。
③1ドル100円に復活したので、(100円+90円×2)=280円の購入金額から300円で売ることができるので、差し引いて20円の儲けです。
また、これは自動売買の設定によりますが、最終的な一斉決済をどこのレートで行うのかということも重要になります。
例えば、途中で何度も買い増し(ナンピン)を行うことによって平均購入レートが下がるため、一番最初に購入したレートまで戻らずとも利益を出すことができます。
なので、
少しでも利益が出たらリスク回避で決済してしまうのか
それとも最初の購入レートまで戻ることを信じて大きな利益確定を狙っていくのか
この辺りもモノによって変わってくるでしょう。
とりあえず利益を出すことを優先すれば、儲かりますが延々と取引してやっと勝つということの繰り返しになってしまい、心労に対するリターンが割に合わなく感じるかもしれません。
一方で、勝つ前に資金が尽きてしまった場合には、含み損を大量に抱えて追証を求められるリスクすらあります。
FXナンピンマーチンゲール法の自動売買の3つのメリットと5つのデメリットとは?
先ほどお話ししたとおり、ナンピンマーチンゲール法は超攻撃的な手法のため、メリットとデメリットが数多くあります。
また、それを自動売買に適用することでメリットやデメリットがより明確になります。
では、ナンピンマーチンゲール法には具体的にどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
ナンピンマーチンゲール自動売買のメリット
・レンジ相場に強い
・利幅が大きい
・勝ち続けているものが多い
ナンピンマーチンゲール自動売買のデメリット
・長期間では最大ドローダウンが大きい
・相場が逆行すると巨額の含み損
・大きなトレンドに弱い
・豊富な資金が必要
・粗悪な自動売買が多い
次項より、これらについて詳しく解説していきます。
メリット①:レンジ相場に強い
レンジ相場に強いことはナンピンマーチンゲール自動売買のメリットだと言えます。
その理由は、
価格が戻ってきやすい=決済が決まりやすい
からです。
レンジ相場は一定の価格幅でレートが上下する局面ですから、一向に価格が戻ってこないというシチュエーションになりづらいんですね。
このことから、リスクが小さく利益が出やすいチャンスゾーンだと言って良いでしょう。
レンジ相場が続けば、ナンピンマーチンゲール自動売買にとっては大きく稼ぐチャンスです。
メリット②:他の自動売買と比較して利幅が大きい
世間一般的な自動売買では、地道に細かいトレードを積み重ねる形で利益を上げるというパターンが多いです。
そのため、トレード1回辺りの利幅は少ない傾向にあります。
一方でナンピンマーチンゲール自動売買は、ひたすら負けが込むと含み損ポジションが溜め込まれていきますが、一度決済のチャンスが来た場合、一気にリターンが出るのです。
※決済レートをどこに置くかで利益額は変動するので注意
こういった特徴があるため、他の自動売買とは比べ物にならないくらいのリターンを得られることがあります。
つまり、比較的平均利益は大きい傾向にあるということです。
メリット③:一定期間に渡っては勝ち続けているものが多い
ナンピンマーチンゲール自動売買は、基本的に利益が上がるまで取引が終わりません。
負け = 巨額の損失
を意味するため、資金が耐えている間は収支が右肩上がりになっていることでしょう。
そのため、結果として勝率が異常なほど高い自動売買になるのです。
この勝率の高さに関しては、他の自動売買が追随できないレベルでしょう。
公開されているナンピンマーチンゲール自動売買はいずれも高い勝率を誇っています。
ネットで自動売買を探した時に驚異的な運用成績を叩き出すものが多数存在しているのは、これが理由です。
デメリット①:長期間では最大ドローダウンが大きくなりやすい
ナンピンマーチンゲール自動売買のデメリットとして、決済が決まらない期間が長引くとEAの重要項目である「最大ドローダウン」の値が大きくなってしまうことが挙げられます。
ドローダウンとは、残高が一時的に最大資産から落ち込んだ時の下落率のことを指します。
例えば、100ドルの資金が90ドルに目減りした場合はドローダウン10%となります。
ナンピンマーチンゲール自動売買では、ひたすら下落が続いたり、決済ができずに長期に渡ってしまったりすると、ドローダウンは10%→20%→40%と倍々になってしまうことも少なくありません。
デメリット②:相場の逆行が続いた場合には大きな含み損が発生する
大きなドローダウンに関連して、相場の逆行が続いた場合に大きな含み損が発生します。
逆行とは、持っているポジション(通貨ペア)に対して通貨価格が逆の方向(損になる方向)に動くことです。
例えばドルを持っているポジションだったとして、1ドル100円だったものが90円→80円と価格がどんどん下落してしまう局面を言います。
一向に決済できず買い増しをひたすら行うため、含み損も非常に高額になっていくのです。
デメリット③:大きなトレンド相場では大損しやすい
昨今のコロナショックのような政治経済に大きな影響を与える問題が起きた場合、思わぬ相場の乱高下が発生しやすくなります。
このようなケースでも、大きな損失を被りやすくなります。
どんどん持っている通貨の価値が下落し、一向に決済できなくなってしまうということですね。
こういった局面ではどんどん買い増しをするだけで、決済が行われないため損失が膨らみます。
ひたすら買い増しを行い、わずかに利益が確保できるあるいは少額の損失で済むという状態まで耐えるか、耐え切れずに破綻するかのいずれかになってしまうのです。
こういった局面においてはナンピンマーチンゲール自動売買は非常に弱いと言えます。
デメリット④運用開始にはそれなりに資金が必要
繰り返しにはなりますが、ナンピンマーチンゲール自動売買は決済タイミングが来るまで延々と含み損が増えていくため、それに耐え切る必要があります。
そのため、運用を開始するにあたって十分な資金を用意しておく必要があるのです。
買い(売り)増しに数回程度しか耐えられないと言う脆弱な資金量では、このナンピンマーチンゲール自動売買を動かすことは不可能です。
「耐えて耐えて最後に勝つ」
そんなスタイルを地で行くナンピンマーチンゲール自動売買は、潤沢な資金が必要とされることを必ず理解してください。
デメリット⑤簡単にプログラミングできる為、粗悪な自動売買が多い
買いポジションの場合、ひたすら買い増して利益が出るタイミングで決済を行う。
このようにシンプルな理論で投資を行うのがナンピンマーチンゲール自動売買です。
そしてシンプルが故に、多くの自動売買製作者が簡単に開発できる代物となっています。
そのため、レベルの低い粗悪な自動売買が数多く出回っており、使用すると致命的な損失を引き起こすものもあるのです。
こういった粗悪品をつかみやすいと言うのも、ナンピンマーチンゲール自動売買のデメリットと言えるのではないでしょうか。
FXナンピンマーチンゲール法の自動売買の見分け方とは?
ナンピンマーチンゲール自動売買は無数の種類があります。
そんな中から、一体どうやって質の高いものを見つければ良いのでしょうか。
その具体的な見分け方も解説します。
自動売買の取引ロジックの説明を確認する
まずは、自動売買の取引ロジックを確認することから始めましょう。
粗悪なものは、勝利率の高さを前面に押しているだけでどういったロジック(自動売買のスペック)をなのか記載していないものが多いです。
どのような流れでポジションを持って、どういったタイミングで決済するのか
という情報はもちろんのこと、
純粋なナンピンマーチンゲール法なのか
それとも独自の理論を入れたナンピンマーチンゲールの類似品なのか
といった情報も必ず手に入れましょう。
自動売買の取引履歴から判断する
自動売買の取引履歴がきちんと記載されているものを選ぶことはもちろんですが、その内容も確認しましょう。
一向に勝てずに悲惨な目になっていないかどうか
コンスタントに利益を出せているかどうか
といったことに注目します。
改ざんしているものもありますが、大手の自動売買サイト(MyFxBook)に公開されているものであれば信頼できる場合がほとんどです。
マーチンゲール自動売買のバックテストの特徴を確認する
バックテストは自動売買の性能を測る一つの指標です。
当然、ナンピンマーチンゲール自動売買を導入する場合においても必ず確認しましょう。
トレンド相場に意外と強かったり、逆に得意なはずのレンジ相場で決済できていなかったりと、その自動売買に対する意外な特徴を知ることができます。
FXナンピンマーチンゲール法の自動売買のバックテストの特徴とは?
ナンピンマーチンゲール自動売買では、バックテストを見るとその特徴が分かります。
綺麗な右肩上がりになっている
MT4機能であるストラテジーテスターのバックテストで生成されるグラフは、口座の残高の推移を表示しています。
これがきれいな右肩上がりになっていれば順調に稼いでいると判断することができます。
綺麗な直線の途中にちょっとした凸凹がある
直線の途中に凸凹がある場合は途中で苦手な局面や得意な局面に入り一気に稼げたり、あるいは損失がたまったことを意味しています。
この凸凹が大きすぎると、やや不安定なナンピンマーチンゲール自動売買だと考えられるので、少し慎重になった方が良いかもしれません。
ロット数が固定になっている
ロット数が固定になっているのは、ナンピンだけが活動していてマーチンゲールが動いていないということなので、純粋なナンピン系自動売買の可能性があります。
FXナンピンマーチンゲール法の自動売買を使用する前の注意点とは?
ナンピンマーチンゲール自動売買を利用するのは悪いことではありません。
しかし、注意点を知らずに手を出すと大変な目に遭います。
その点について解説しましょう。
基本的にはハイリスクハイリターンの手法であることを理解する
冒頭でも触れたとおり、ナンピンマーチンゲール法は資金が投入金額に耐えられなくなった時点で終わりです。
この終わりと言うのは、莫大な損失を抱えたことを意味します。
耐えられば、その利幅の大きさにハイリターンを期待することができますが、投資金がなくなるとリスクも大きいと言うことをあらかじめしっかり理解しておくことが必要です。
負けにくくするために過剰ともいえる予備資金を用意しておきましょう。
最悪の場合には元本が0になるリスクがあることを理解する
これは全ての投資に言えることではありますが、元本割れどころか元本そのものが消え去る可能性もゼロではありません。
また最悪の場合、追加証拠金を抱えて立ち直れなくなることもあります。
※きちんと管理していれば基本的には回避可能
しかし、最悪とは常に隣り合わせとなるので、絶対に油断はできません。
これがナンピンマーチンゲール法の恐ろしさです。
自動売買のナンピン設定が変更可能かどうかを確認する
何度もしつこいようですが、ナンピンという手法自体が超攻撃的な投資手法です。
「損失が出たら買い増しを行う」というスタイルがその理由です。
このナンピンをより攻撃的なものにする、あるいはマイルドするといった変更が可能かどうかは、ナンピンマーチンゲール自動売買を選ぶ上で重要な項目になります。
購入前には事前にそういった点もしっかり確認しましょう。
長期間のバックテスト・フォワードテストからドローダウンの傾向を確認する
ナンピンマーチンゲール自動売買は、どんなに優秀な自動売買でも最終的には致命的なドローダウンを起こして終わります。
このドローダウンの急激な下落がどんな場面で起こるのか、それを知るために長期間のバックテストやフォワードテストで検証しておく必要があるのです。
その上でナンピンマーチンゲール自動売買を実戦投入するということが重要と言えます。
まとめ
ナンピンマーチンゲール法は、アグレッシブな投資方法同士であるナンピンとナンピンマーチンゲールを組み合わせた投資手法です。
どんどん投資額を増やし、平常な心理では考えられないぐらいガンガン注文するスタイルから、感情を持たない自動売買と相性の良い投資手法だと言えます。
利幅も大きく魅力的なものではありますが、利益が出るまで損失に耐え続けられる資金力が要求される手法でもあるのです。
そんなナンピンマーチンゲール自動売買は、
ロジックをしっかり確認し、
リスクなどを知った上で、
十分なバックテストやフォワードテストによって検証した後に、
実戦投入することをお勧めします。