この記事で解決できること
・ボリンジャーバンドの仕組みを知りたい
・ボリンジャーバンドの使い方を知りたい
・ボリンジャーバンドのトレード手法が知りたい
・ボリンジャーバンドのパラメーター設定を知りたい
皆さんこんにちは!
シェリーです。
本記事では、FXにおける超メジャーインジケーターである「ボリンジャーバンド」の使い方や設定方法について解説していきます。
ボリンジャーバンドを使ったことがあるという方は非常に多いと思いますが、「性能を引き出す使い方」を出来ている方というのは意外と少ないように感じます。
性能を引き出せていない、すなわち誤った使い方をしていると、トレードの成績は良くなるどころか悪化してしまいます。
今一度、ボリンジャーバンドというインジケーターのスペックや特徴を復習し、改めてトレードに活かすことが出来るようにしていきましょう。
それでは、早速内容に入っていきます。
この記事の目次
FXボリンジャーバンド手法とは?
ボリンジャーバンドはトレンド系インジケーターの一つで、標準偏差による価格の乖離という観点から相場の勢いや方向性を見る指標です。
中心線(ミッドバンド)に移動平均線を用い、その移動平均線を軸として上下に3段階のバンドが引かれます。
この上下3段階のバンドが標準偏差を用いて計算されているもので、外側にいけばいくほど「平均値から乖離している」と判断することが出来ます。
標準偏差について
「そもそも標準偏差って何?」という方もいらっしゃると思うので、簡単に説明させていただきます。
皆さんは偏差値という言葉を聞いたことがあると思います。
偏差値は主にテストの点数で使われている「成績の指標」ですよね。
例えば100人のテスト受験者がいたとして、全員の平均点が50点だとします。
点数が90点の人がいれば、10点の人がいる可能性もあります。
そして、自分の点数が平均点より高ければ高いほど、偏差値は高くなりますよね。
細かい計算式は割愛しますが、要は平均となる数値から離れていればいるほど「偏差値が高い=乖離している」と考えられるのです。
ボリンジャーバンドは、この標準偏差をロウソク足(価格)に置き換えて考えられるようにしたものになります。
ボリンジャーバンド手法の見方とは?
ボリンジャーバンド手法の具体的な見方について、解説していきます。
バンドの種類
ボリンジャーバンドは最大7種類(※)のバンドで構成され、その中から自分に合っていると思うバンドだけを表示して使うことが主流です。
・ミッドバンド(移動平均線)
・アッパーバンド1(+1σ)
・アッパーバンド2(+2σ)
・アッパーバンド3(+3σ)
・ロワーバンド1(−1σ)
・ロワーバンド2(−2σ)
・ロワーバンド3(−3σ)
※「σ(シグマ)」は標準偏差の単位です。
ボリンジャーバンドのミッドバンド(中心線)は一般的に単純移動平均線(SMA)が使われており、その単純移動平均線を基準として、上方向にアッパーバンド1→2→3、下方向にロワーバンド1→2→3と並びます。
σの数値が3に近いほど、ミッドバンドから離れた(標準偏差の高い)位置にバンドが引かれるということですね。
(※)厳密には種類が無数にあるので何本でも引くことが出来ますが、一般的には7本が上限となります。
スクイーズ
スクイーズとは、ボリンジャーバンドにおけるアッパーバンドとロワーバンドの幅が縮まっている状態のことを指し、収縮・収束と呼ばれたりもします。
ボリンジャーバンドがスクイーズ状態の時というのは、値動きの幅が狭く勢いが無いと判断することが出来ます。
「価格が大きく動く前の兆し」として出現することが多く、嵐の前の静けさという風に考えれば分かりやすいです。
基本的にスクイーズ状態の時はトレードを控え、この後の動きによってエントリータイミングを計っていきます。
エクスパンション
エクスパンションはスクイーズの逆で、アッパーバンドとロワーバンドの幅が広がっている状態のことを指します。
ボリンジャーバンドがエクスパンション状態の時というのは、値動きが大きく勢いが強い状態だと判断することが出来ます。
「トレンド発生時」に出現することが多く、エクスパンション時の値動きの方向へのトレンドに期待が持てます。
バンドウォーク
バンドウォークとは、ボリンジャーバンドがエクスパンションした時に、バンドの上をロウソク足がまるで歩いているかのように付いてくるという状態のことです。
強いトレンドが発生した時に多く見受けられ、順張りトレードでは積極的に狙っていきたい事象になります。
ボリンジャーバンド手法のパラメータ設定方法とは?
ボリンジャーバンドのパラメーター設定は、主に3つの項目で構成されています。
・期間
ミッドバンドとなる移動平均線の期間を指定します。
デフォルト設定は20となっており、特に理由が無ければこのまま使うことをオススメします。
・偏差
描画するアッパーバンドとロワーバンドの標準偏差を指定します。
小数点入力も可能で、1.0〜3.0の間で入力することが一般的です。
・適用価格
標準偏差の計算に用いる「価格の種類」を指定します。
ロウソク足における「始値・終値・高値・安値etc...」から選択しましょう。
ボリンジャーバンドの最もポピュラーな設定としては、
期間:20
偏差:2もしくは3
適用価格:終値
上記が挙げられます。
偏差の数値が3だとかなりの乖離率になるので、エントリーポイントを探すという意味では「ハードルが高め」となりますが、その代わりに精度も高いです。
偏差の数値が2だとハードルと精度のバランスが良いので、積極的にトレードしていきたい方にはオススメですが、精度は少し下がります。
このあたりはトレードの勝率をどこまで上げたいか、キープしたいかによって変わってきます。
トレードの勝率を上げたい方は偏差の数値を上げ、トレード回数を増やしていきたい方は偏差の数値を下げましょう。
ボリンジャーバンド手法を使うメリットとは?
ボリンジャーバンドを使用するメリットについて解説していきます。
相場の勢いが強まるタイミングを捉えることが出来る
ボリンジャーバンドでは、静まり返っていた値動きが激しく動き出す瞬間というのを的確に捉えることが出来ます。
その瞬間というのが、
・スクイーズ→エクスパンション
・アッパーバンド2or3&ロワーバンド2or3をロウソク足がブレイク
上記の片方、または両方が見受けられた時です。
これらは強力なトレンド発生サインであり、これらを確認してからエントリーすることでよりトレンドに乗ったトレードが可能となります。
相場の勢いの強さを計ることが出来る
ボリンジャーバンドでは相場の勢いが強まるタイミングだけでなく、その強さも計ることが出来ます。
どこを見ればそれが分かるのかというと、
エクスパンション時におけるアッパーバンドとロワーバンドの幅
になります。
各バンド同士の幅は値動きが激しければ激しいほど広がる仕様となっており、「バンドの幅が広がっている=その時の値動き方向への力が強まっている」と判断することが出来ます。
ボリンジャーバンド手法の使い方とは?
これは結構勘違いされがちなのですが、ボリンジャーバンドの主な使い方は順張りトレードとなります。
ボリンジャーバンドの開発者である、米国のテクニカルアナリストのジョン・A・ボリンジャー氏の有名な発言に、
「バンドの外に終値が位置していることはトレンド発生もしくはトレンド継続とし、反転シグナルではない」
という内容があるぐらいです。
しかし一方で、ボリンジャーバンドの有名な性質に以下のようなものがあります。
・ロウソク足がボリンジャーバンドのアッパー&ロワーバンド1(±1σ)の範囲内に収まる確率 ➡︎ 約68.3%
・ロウソク足がボリンジャーバンドのアッパー&ロワーバンド2(±2σ)の範囲内に収まる確率 ➡︎ 約95.4%
・ロウソク足がボリンジャーバンドのアッパー&ロワーバンド3(±3σ)の範囲内に収まる確率 ➡︎ 約99.7%
「ロウソク足が±2σバンドにタッチした時に95%以上で反転するんでしょ?」
と解釈している人が少なくないように感じますが、これは完全なる間違いです。
正しくは、
「数あるロウソク足の中の95.4%は±2σバンドの内側で推移し、4.6%は±2σバンドの外側で推移する」
ということです。
つまり、ロウソク足がバンドをタッチ・ブレイクしたところで上記のパーセンテージは全く関係がありません。
ずっとロウソク足がバンドの内側を推移する期間もあれば、バンドの外側に連続して位置すること(バンドウォーク)もあります。
ボリンジャーバンドは、あくまでトレンドが発生するタイミングや勢いの強さを計ることがメインの使い方であるということを念頭に置きましょう。
※決してボリンジャーバンドが逆張りトレードに使えないというわけではありません。
ボリンジャーバンドを用いたオススメトレード手法2選を紹介!
ボリンジャーバンドを使ったトレード手法というのはネットにゴロゴロ落ちていますが、ここでは僕が推奨する2種類の手法を紹介させていただきたいと思います。
トレンド方向確認 & ±2σバンドタッチ時の順張りトレード
① まず、チャートに「ボリンジャーバンド±2σ」と「トレンド系インジケーター」を表示します。
※上図は移動平均線を3本(短期・中期・長期の3種類)表示しています。
② 次に、トレンド系インジケーターを用いて「トレンドの方向性」を確認します。
※上図はパーフェクトオーダーを用いてトレンドの方向性を確認しています。
③ トレンドの方向性が確認出来たら、そのトレンド方向のボリンジャーバンド±2σにロウソク足がタッチしたところで、トレンド方向へエントリーします。
この手法は、方向の確認をしっかり行い、その方向への勢いが強くなっていることを確認してからトレードを行うというものです。
方向性だけでなく勢いも考慮するので、高確率でトレンドを掴むことが可能となります。
ちなみにこのトレード手法は、僕がオリジナルサインツールとしてインジケーター化しています。
無料で配布させていただいているインジケーターとなりますので、興味のある方は是非以下の記事をご覧ください。
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大陽線(大陰線)による±3σバンドブレイク時の逆張りスキャルピング
①まず、チャートに「ボリンジャーバンド±3σ」を表示します。
②5pips以上(要調整)の大陽線(大陰線)が出現、かつ±3σをブレイクしたら反転を狙って逆方向へエントリーします。
この手法は、瞬間的な暴騰・暴落による市場のポジション決済(含み益を得た人達が次々と利確すること)を考慮し、瞬間的な相場反転を狙うものになります。
スキャルピングなのでトレード一回あたりの利益は大きくありませんが、利確幅と損切り幅を2:1かそれ以上で意識し、勝率重視でトレードしていくと良い結果に繋がります。
こちらのトレード手法に関しても、僕がオリジナルサインツールとしてインジケーター化しています。
もちろん無料となりますので、興味のある方は是非以下の記事をご覧ください。
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ボリンジャーバンド手法を使う際の注意点とは?
ボリンジャーバンドを使う際の注意点は、やはり安直な逆張りトレードをしてはいけないという点です。
先ほども解説した±1,2,3σそれぞれのバンド内にロウソク足が収まる確率を、トレードの勝率と混合してはいけません。
確かにボリンジャーバンドは、レンジ相場で使うとバンドがレジサポラインのように機能して逆張りトレードがサクサク成功することもあります。
ただ、その際はしっかりとレンジ相場であるということを確認し、オシレーター系インジケーターも併用して買われ過ぎ・売られ過ぎなどを分析して初めて論理的に攻めることが出来るようになります。
なぜかと言うと、仮に強いトレンドが発生していた場合、バンドウォークに飲み込まれ大きな含み損を抱えてしまう可能性があるからです。
なので、ボリンジャーバンドのみを使ってバンドにロウソク足がタッチ・ブレイクしたから逆張り…というのは非常に危険な行為となります。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
終わりに、ボリンジャーバンドの特徴を振り返ってみましょう。
・トレンド系インジケーターである
・標準偏差という偏差値を用いて、乖離の程度をバンドで示してくれる
・相場の方向性と勢いの強さを計るインジケーターである
・スクイーズ(収縮)とエクスパンション(拡散)を繰り返す
・有名な情報である「バンド内にロウソク足が収まる確率」を盲信してはいけない
・バンドだけを用いた安直な逆張りトレードは危険
ボリンジャーバンドは非常に有名なインジケーターなだけに、様々な情報がネットに出回っています。
順張りトレード手法、逆張りトレード手法など、色々あるでしょう。
でもそれは裏を返すと、様々なシチュエーションで効果を発揮するインジケーターであるということです。
ただ、ケースバイケースなので、良いと思っていた手法や使い方がまるで通用しなくなった…なんてこともあるでしょう。
FXをやっている限り一生使えるインジケーターであることは確かなので、どうせなら臨機応変に使って結果を出していきたいですよね。
移動平均線やRSI、その他オシレーターなどとも相性が良いとされているので、色々組み合わせを試行錯誤してみると良いロジックが見つかるかもしれませんよ?