こんにちは!シェリーです。
今回は、FX自動売買の失敗で最も多い5つの失敗例というテーマで記事を書きました。
FXにおけるEA(自動売買)は、FXトレードを自動で行ってくれるソフトのようなものです。
世界的なFXトレードプラットフォームであるMT4にEAを導入することで、誰でも簡単に自動売買が可能となります。
そして昨今、手間のかかる&難易度の高い裁量トレードの補佐ツールとしてEAは注目を集めています。
裁量トレードは己の力が全てなので、プレッシャーがかかり、時に冷静な判断力を欠いてしまうことがあります。
損益は人の精神を揺さぶり、感情的なトレードを誘発してくるのです。
「損失を取り返そうとして更に損をする」
といったようなギャンブルみたいな状況に陥ってしまうということですね。
対して、EAを利用した取引では感情が一切入らず、設定したプログラム通りに取引を行います。
更に、人が眠っている夜中の間にも休むことなくEAは稼働し続けます。
相場を細かくチェックする必要もないので、チャンスを逃しません。
しかし、そんなメリットだらけのEAを利用しても、失敗する人がほとんどだというのが現実です。
では、EAを使って失敗している人にはどのような共通点があるのでしょうか?
この記事の目次
FX自動売買で失敗する人に通じる3つの要素とは?
EAで失敗する原因には、大きく3つの要素が挙げられます。
EAで失敗する3つの要素
・EAの選択ミス
・EAの運用ミス
・FXに対する理解不足
「当たり前のことじゃん」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
その通りです(笑)
この超基本的なことができていないと、EAでは勝てません。
また、3項目それぞれの中にも複数の失敗要因があり、その要因を一つずつ潰していけば効果的なEA運用が可能です。
つまり、
最適なEAを選択し、
正しい運用方法を行い、
FXに対する適切な理解があれば、
失敗を回避できるということです。
次項より、3つの要素ごとに考えられる直接的な原因について深掘りしてみましょう。
FX自動売買の失敗で最も多い5つの失敗とは?
まず、一つ目の要素である「EAの選択ミス」での失敗についてです。
正直言って、EAによる自動売買を行う上で最も重要なのはEA選びです。
「気合い満点でEAを導入したが、思っていたよりも勝てないどころかどんどん損失が膨らんでいく...」
こんな状況になってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
中には後から盛り返してくるEAもありますが、基本的にはEAの選択ミスと言っていいでしょう。
そして、その選択ミスには大きく5つの原因が考えられます。
EA選択ミス①:儲けたいという欲求が先行し、十分にEAを比較検討していない
FXトレードを行う理由には、「儲けたい」という欲求が必ず入っていると思います。
むしろ入ってなかったら謎です。
ただの為替マニアです。
実際に、裁量トレードに挑戦したが上手くいかず、自動売買への切り替えを考えるという人も多いです。
また、トレードにあまり時間を割けない人にとっては、自動で運用してくれるEAは非常に魅力的でしょう。
また、これは恐らく日本人の安直さによるものなのですが、
自動という言葉が「楽に儲かる」というイメージを連想させるのです。
儲けたいという欲求が強まるほどあせりが生じ、EAの検討をしっかり行わずに購入してしまう。
それがEAの選択ミスに繋がっているケースはかなり多いと思います。
EAの種類は無数に存在しますが、それぞれ売買ロジックが異なるので、機能面をよく理解していないと自身の感覚に合わないEAを使ってしまう可能性があります。
EA選択ミス②:誇大広告に騙されて運用実績を詳細まで確認していない
EAの中には、
儲かることが保証されているかのような印象を与える広告
を意図的に打ち出しているものがあります。
要は、販売戦略ですね。
そういった誇大広告に関しては、上辺の魅力的な言葉だけを見たところで、そのEAの真価はわかりません。
そのEAが本当に優秀なものなのかどうかを判断するためには、運用実績をチェックすることが必須です。
このチェックを怠ると、販売者の思惑にまんまと乗せられているだけになってしまいます。
もし情報が不足しているということであれば、
販売者に直接問い合わせたり、ネットで口コミを調べるなど、やれることは全てやるぐらいの気概で情報収集しましょう。
EA選択ミス③:バックテストの結果を短期間レベルでしか確認していない
バックテストとはEAのパフォーマンスを調べる方法の俗称で、
過去のチャートを数ヶ月あるいは数年遡り、そのEAが過去において結果の出るものだったのかどうかを確かめるテストのことです。
そして、そのバックテストによって得られた実績・成績のことをバックテストデータと呼びます。
EAの実力を見る上で超大切なバックテストデータですが、短期間のチェックでは本当の力を知ることはできません。
たまたまその時期だけ調子が良かったという可能性がありますし、EAの実力に関係なく相場状況が良かっただけという可能性もあります。
バックテストデータを見る時は、どのぐらいの期間でテストを行っているのかという点に注目してください。
EA選択ミス④:EAが詐欺商品でなく利益のでるものか確認していない
これは悲しい現実の話ですが、
成績の悪いEAをあたかも結果を残しているかのように偽って販売する詐欺業者も存在します。
「めっちゃ儲かりますよ」
といったような都合の良い言葉をまくし立てられ、よく確認せずに購入するのは自殺行為です。
EAには詐欺商品が多いという前提のもと、疑り深く選んでいく必要があります。
また僕の経験上、確実な利益を保証するような文言を謳っている販売者はほぼ信用できません。
FXにはお金を失うというリスクが常に存在し、それはEAも同様であることをあらためて再認識しましょう。
EA選択ミス⑤:自動売買のストラテジーが自分のレベルに合っていない
自動売買のストラテジーとは、EAにプログラミングされている売買プログラム(売買指示)のことです。
EAは、ソースコード中に書かれている売買プログラムに基づいて買い注文と売り注文を行い、更には取引ロット数も決められています。
つまり、自分の資金状況に合っていないと、儲かるものも儲からなくなってしまう可能性が出てくるのです。
レンジ相場で効果的な働きをするプログラムもあれば、トレンド相場に強いプログラムもあります。
急激な相場変動に効果的なEAもあれば、波風の少ない相場で威力を発揮するEAもあります。
どれだけのリスクを許容し、どこまで攻める売買プログラムなのか
これをしっかり把握した上で、EAを選択するようにしましょう。
FX自動売買の失敗における6つの運用方法の失敗とは?
EAの運用方法を間違えているために失敗するケースも多いです。
ここでは代表的な6つの運用方法の失敗について書いてみましょう。
EA運用ミス①:EA任せになっていて長期間に渡って放置
EAによる運用は、自動故に放置状態になりがちですが、定期的なチェックは絶対に必要です。
なぜなら、売買プログラムが現在の相場状況と合わなくなっている可能性があるからです。
相場状況は常に変化していくため、EAと言えども定期的なアップデートは欲しいところです。
長期間放置していただけに、相場状況が大きく変化して不適切な運用を続けてしまった
というリスクがあるわけですね。
EA運用ミス②:EAの実績に伴ってロット数を増減(負けたら減らすなど)
長期トレードを前提としている種類のEAには、途中で含み損が発生しても最終的には利益を上げるというスタンスのものがあります。
このようなEAを利用している場合、一時的な含み損に不安を感じポジションを手動で決済したことで、逆に利益のチャンスを潰してしまったというケースが発生しがちです。
もちろん、証拠金を維持するためには損切りは必要ですが、長期運用の場合はある程度の含み損を覚悟しなければいけないのも事実です。
また、途中でロット数を減らす、増やすというのも、長期的に見ると運用を不安定にさせる要因の一つです。
戦略的にロット数を変更することはありますが、ビビってロット数を減らすという行為は本末転倒なのでNGです。
EA運用ミス③:短期間の運用実績に沿ってストラテジーを変更
短期トレードをメインとしているEAであれば、短期的な成績は重要です。
しかし長期トレードメインのEAにおいては、短期の運用実績が悪いという理由でストラテジーを変更することは軽率です。
自分の使っているEAがどのような性質を持っていて、どのように利益を上げていくのかをしっかり把握しておくことが、短期的な成績に慌てないためのコツとなります。
EA運用ミス④:運用結果によって感情が左右され休止などを繰り返す
リピート型のEAでは、価格が下がった時にポジションを買い増し、価格が上がった時に売却して利益を出します。
この手法は、レンジ相場で利益を上げやすい傾向にありますね。
しかし、価格が下がった瞬間、含み損を抱えていることに慌てて手動で損切りしてしまう。
このような中途半端な裁量を加えてしまうと、利益チャンスを逃すことになります。
EA運用ミス⑤:相場が急変動するような危険な相場でもEAを稼働
苦しくも、EAはファンダメンタルズ要素による相場の急変動に対応することができません。
通常の相場では売買プログラムが上手く機能し利益が上がったとしても、相場は突然変わるため安心はできません。
例えば、各国の経済政策によって相場が急変動することがあります。
恐慌のようなことが起これば、相場環境の動揺が一定期間継続されます。
このような相場で、いつも通りにEAを稼働させることは危険です。
EA運用ミス⑥:大きなドローダウンに直面してもEA任せにし続けている
ドローダウンとは、資金が最大値からどのぐらい減ったのかをパーセンテージで表す数値のことです。
FXでは非常に重要視される項目でもあります。
例えば、最大100万円まで増えた資金が今は50万円になっている場合、
50万円÷100万円=0.5(50%)
ドローダウンが50%という計算になります。
ドローダウンの数値が非常に大きいにも関わらず運用を継続することは、極めてリスキーです。
「これから回復する」
このような希望的観測は一切切り捨て、資金を守るようにしましょう。
資金が残ってさえいれば、やり直せるんですから。
FX自動売買で失敗する人の5つの特徴とは?
EAで失敗する理由には、FXに対する間違った考え方で安易に自動売買を利用しているというケースも多いです。
ここでは、代表的な5つの特徴を書いてみましょう。
FXの理解不足ケース①:FXの基本的な知識がないにも関わらずEA運用をしている
EAには、初心者でも割と簡単に使えるというメリットがあります。
とは言っても、FXに対する理解が足りていない状態で利用することは危険です。
FXのようなレバレッジトレードは、通常の投資に比べ短期間で大きな損失を被りやすいです。
そのため、FX運用ではリスク管理が最重要となるのです。
FXとの根本的な向き合い方が理解できていないと、
適切なリスク管理もできず、
適当にお金を入れて、
適当な運用をしてしまう
なんて状況になってしまうのです。
FXの理解不足ケース②:運用資金が少なすぎる(短期間にロスカットされる)
投資において慎重さは大切ですが、
「EAの運用をしている際に資金が少なすぎて強制ロスカットされてしまった」
というケースをよく耳にします。
中長期の運用が考慮されているEAでは、長い期間ポジションを維持することで利益を上げていきます。
しかし資金が少ないと、途中で発生する含み損に証拠金維持率が耐えられず早い段階でロスカットされてしまうので、特色を活かすことができません。
基本的には、EAを購入した際に付属している説明書などに推奨資金が提示されているので、その金額を大きく下回る資金での運用は避けましょう。
FXの理解不足ケース③:一定期間の中での利益率が高いストラテジーのみを選択している
一定期間で利益率が高いストラテジーであっても、長期的に安定した成績を残せるとは限りません。
一時的な利益は、ちょっとしたイレギュラーですぐに吹っ飛んでしまう可能性があるのがFXトレードの恐いところです。
逆に考えると、一定期間で利益率が高いということは、別の期間では一気に利益を失う可能性もあるということなので、やはり重要なのは安定して数字を積み重ねることです。
FXの理解不足ケース④:通貨ペアが少なく運用バランスが悪い
取引している通貨ペアの種類が少ないと、一つの通貨ペアにかかる比重が大きくなりがちです。
要は、一回の失敗に対してのダメージが大きくなるのです。
複数種類の通貨ペアを運用していれば、別の通貨ペアで挽回できる可能性があります。
複数の通貨ペアを採用することがリスクヘッジとなり、バランスの取れた運用に繋がることもあります。
※一つの通貨ペアを突き詰めて分析することで質を高めるというケースもあるので、一概には言えません。
FXの理解不足ケース⑤:EA任せになっており定期的な運用実績のレビューをしていない
EAを運用する上で一時的な結果に振り回されるのはNGです。
運用を始めたからには、腹をくくって最低数ヶ月は黙って見ていましょう。
※適切なEA選択ができていない場合を除く
一方、そのEAの運用成績を客観的に見ることは大切で、
そのEAが現在の相場に合っているか
損益は想定の範囲内か
証拠金の額は適切か
ロット数は適切か
などなど、様々なチェックが必要です。
これらを怠り全てをEA任せにしていると、利益が出ないどころか損失が膨らんでしまう可能性があります。
まとめ
最後にまとめると、
EA運用で失敗する人の特徴をよく理解することで、逆説的に失敗しない方法がわかります。
まず、簡単に稼げるという安易なイメージを持たないようにしてください。
様々なEAを客観的に評価し、自分に適したものを選択することが大切です。
自動売買にはメリットがたくさんありますが、それは大きなリスクに変貌する可能性も秘めていることを肝に命じておきましょう。
皆さんの投資ライフが良い方向に進むことを願っています^^