こんにちは!
シェリーです。
今回は、FX自動売買で大損する理由についてご紹介します。
FXの裁量取引(自分の判断で適宜取引を行う取引)だと儲からない、そんなFX初心者が次に利用しようとするのが自動売買です。
自動で全て行ってくれ、しかも数値を設定すれば、そのタイミングで売買をしてくれるという仕組みから、自動でどんどん稼いでくれる打出の小づちのようなイメージを持っている初心者の方も少なくありません。
しかし、自動売買には様々な注意点があり、それに気付かず大変な損失を被ることも実際多くあります。
そういった問題に対して今回、自動売買で大損する理由、更には陥りやすい落とし穴について解説し、まとめました。
これを読めばきっと自動売買で大損することを回避出来るようになるでしょう。
それでは最初に、自動売買で大損する人に共通する5つの点について紹介していきましょう。
この記事の目次
FX自動売買で大損する人の5つの共通点とは?
自動売買は放っておいても勝手に自動でどんどん稼いでくれる、儲かる、そんなイメージを持っているFX初心者の方が多くいます。
しかし、実際にはいくつかの勘違いがあります。
ざっと紹介すると以下のものが挙げられます。
・勝率100%があり得るという思い込み
・自動売買ツールでは含み損が発生しないという思い込み
・短期的な確定利益が重要という思い込み
・常にバックテスト以上の結果がでるという思い込み
・完全に放ったらかしで儲かるという思い込み
基本的に自動売買で大損する人には、こういった思い込みによる勘違いをしているという共通点があります。
なのでこの部分を修正することで、
大損することを回避することが出来ます。
ではそれぞれの項目について解説していきます。
勝率100%があり得るという思い込み
勝率100%、そんな印象を与えてしまうのが自動売買です。
リピート系などで説明される、安く買って高く売り決済が決まれば確実に利益を出す、相場の動きに対して自動で追従していく、こういった言葉を聞けば絶対に負けないシステムのように感じられます。
しかし、実際はそうではありません。
確かに決済が決まれば利益は出ますが、決済が決まらない注文はどんどん損失としてたまっていくのです。
さらに、自動売買の利用料やスプレッドと呼ばれる売値と買値の差(実質的な手数料)、それに金利差によるスワップポイントへの支払いなど、利益を損なう要因はいくつもあります。
つまり、1回の決済に対して利益が出ても手数料、スワップポイント、そして含み損のマイナスを差し引いてプラスになって初めて買ったことになるのです。
そう考えると、負けてしまうというケースも発生しますから、勝率100%ということはないと言えます。
自動売買ツールでは含み損が発生しないという思い込み
先ほども触れましたが、自動売買ツールでも含み損が発生しないということはありません。
むしろ、ほぼ必ず発生すると考えた方が良いでしょう。
やや話がそれますが、含み損について簡単に説明します。
FXの含み損とは、保有している通貨の価格(=現在の価格)が簿価(=買った時の価格)よりも下回っている場合の差額のことです。
例えば、1ドル100円の時に100円で1ドルを購入し、価格が変化して、1ドル80円になったとします。
そうなった時、100円で買った1ドルが80円の価値になっているので、含み損は20円です。
この含み損が自動売買ツールで発生する仕組みは、決済が行われず通貨を保有したままになったケースになります。
リピート系のような自動売買ツールの場合、どんどん注文を行っていくのですが、決済注文が決まらず通貨を保有しやすくなってしまうという弱点もあるのです。
安く買って、高くなった時に売るという自動売買(自動売買)は、決済(売って利益を出す)が決まらなければ、全て含み損になります。
つまり、決済しない注文は全て含み損です。
自動売買で含み損が発生しないと思い込んでいる方もいますが、実は含み損は確実に発生し、蓄積することもあるといっても過言ではありません。
短期的な確定利益が重要という思い込み
自動売買は決済が全て決まったらさっさと利益を確定し、利益を出してしまおうと思っている方もいます。
しかし、自動売買は短期で利益が出ることはありません。
なぜなら、1つの決済が決まるたびに新たに注文をして含み損が発生するという仕組みになっているからです。
このように常に利益を差し引く要因が発生するというのが自動売買の仕組みなので、利益を差し引き要因を全てペイし、利益を上げようと思ったら、短期で利益確定を行うことは困難と言えます。
常にバックテスト以上の結果がでるという思い込み
自動売買にはバックテストなどのテストができるものも多くあります。
このテスト以上に良い結果が出る、あるいは最低限これと同等の結果が出ると思っている方も少なくありません。
しかし、実際は逆です。
バックテストのような想定で利益を出すことは、ほぼ無いと言えます。
その理由として、約定が100%決まるわけではない、市場は想定以上に不自然な動きをすると言ったものです。
約定と言うのは注文したタイミングで、その注文が決まることを意味します。
例えば、売り注文を出したら、瞬時に通貨が売りに出されて対価が入ることです。
一見当たり前のように見えますが、実は当たり前に行かないこともあります。
つまり、売り注文を出しても通貨が売りに出されるのが遅れたり、あるいは注文自体がキャンセルすることがあるということです。
なぜこのようなことが起こるのかと言うと、注文がパンクした、あるいはシステムに何かしらの異常が出たということが挙げられます。
注文がパンクしたというのは、一度に売り注文や買い注文が集中して注文が通らないということです。
こういった場面では、市場が荒れて一気に流動性が増し、市場が注文を受けきれなくなります。
そうなるとシステムが強い業者から注文が決まっていき、弱い業者は注文が遅れる、あるいは無視されるということも起こるのです。
こうすると約定されない場面が発生します。
バックテストなどでは約定率100%でどんどん注文が決まりますが、実際の取引では100%ということはほぼ無く、決済が決まらずに含み損になるものも出ることがあるのです。
市場は想定以上に不自然な動きを見せることがあります。
順調に価格が上がっていたと思ったら一瞬大幅に下落し、レンジ相場になったり、再び上がると言った生き物のような動きをすることがあるのです。
それは、今までのようなパターンで動かないこともあるということを意味します。
このようにバックテスト通りに必ずしも自動売買が動かない、あるいは市場が動かないということもありますから、バックテストに全幅の信頼を寄せてしまうのは危険です。
完全に放ったらかしで儲かるという思い込み
自動売買は自動で売買してくれるから、寝ていても仕事をしていても、あるいは完全に放ったらかしにしても儲かると思われがちです。
しかし、これも完全な誤解と言えます。
市場は時に、自動売買では対応できない局面が発生することもあるのです。
そうなると、巨額の含み損を抱えて証拠金を超えるような、あるいは証拠金がギリギリになってロスカットが発生します。
ロスカットとは
こういった局面を回避するというのも自動売買を運用するという意味で重要です。
しかし、そういったことを行わないといきなり投資したお金がゼロになってしまったり、損失分の補填を求められるということも少なくありません。
FX自動売買で大損する理由「含み損」とは?
FXの自動売買で、含み損が発生するのは当たり前と考えた方が確実です。
特にメジャーなリピート系の場合は、決済が決まってもすぐに次の買い注文が発生します。
そのタイミングで含み損も発生するからです。
そんな自動売買と含み損という話題で、以下の項目を紹介しましょう。
・自動売買では運用初期は含み損が発生しやすい
・そもそも自動売買は含み損が発生する仕組み
・レンジ相場での含み損は安心しよう
・長期的な運用の考えが重要
・短期の確定利益に一喜一憂するのは意味がない
このように自動売買は含み損が発生するというのが大前提であり、付き合い方を工夫すれば、そういったものも対処できるということをお話ししていきます。
自動売買では運用初期は含み損が発生しやすい
自動売買は基本的に決済注文が決まらなければ、含み損になります。
そのため決済がまだ決済注文が決まっていない運用初期は、どんどん注文を行っていくだけなので、含み損は膨らんでいく傾向が強いのです。
自動売買に慣れていない方が、運用初期で評価額を見て(含み損による損失額があまりに大きいので)顔が真っ青になることがあります。
しかし、仕組み上どうしても運用初期は決済が決まっていないため含み損が発生しやすいのです。
そもそも自動売買は含み損が発生する仕組み
先ほども時々触れましたが、そもそも自動売買は含み損が発生するようにできているといっても過言ではありません。
通貨が安くなっているうちに注文を行って、高くなったら決済で利益を出すということを基本的に繰り返していきます。
この決済を行う前の最初の注文で、大量に様々なタイミングでポジションを取るというのが基本的な仕組みです。
一つの注文をして決済を行うというような裁量取引であれば、一回決済が決まれば、含み損は全て解消されます。
しかし、自動売買は時に数十もの注文をバラバラのタイミングで行うので、決済されない注文も多く生まれるのです。
これが含み損が発生する仕組みになります。
さらに、自動売買によっては決済が決まったらすぐに次の注文を行うので、その度に含み損が生まれるというものも少なくありません。
このような流れから、そもそも自動売買は含み損が発生する仕組みと言えるのです。
レンジ相場での含み損は安心しよう
含み損を必ず抱えてしまうのが自動売買です。
しかし、レンジ相場と呼ばれる局面では含み損をそこまで心配する必要はありません。
なぜなら含み損の金額が減るからです。
自分が最初に買った通貨の金額、あるいは持っている通貨の金額と今の金額の差額が大きければ大きいほど、評価額と取得金額との差額である含み損は高額になります。
しかし、レンジ相場で注文をして通貨を持っていてもレンジ相場自体似たような金額を上下するだけですから、そこまで評価額と取得金額との差額は少なくなり、含み損は高額になりにくいのです。
このような理由からレンジ相場での含み損は比較的安心できます。
長期的な運用の考えが重要
自動売買は短期運用で一気に収益を上げるのは困難で、長期的な運用の考えが重要です。
最初に大きな含み損を抱え、その含み損を様々なタイミングで利益に変えていくという仕組みなので、そのタイミングが来るためには時間がかかります。
さらに、自動売買は決済が決まると注文を行い、含み損を抱えて運用を継続していくのです。
つまり、これらの含み損を決済による利益が超えるためには時間がかかります。
これらを解消するために時間をかけた長期運用の考えが重要なのです。
短期の確定利益に一喜一憂するのは意味がない
自動売買において決済が決まると、確定利益が発生します。
確定利益と言う言葉を聞くと、何となく楽しくなる方は少なくありません。
一方、含み損を抱えた評価額を見て憂うつになる方も多くいます。
これらは端的に言えば意味がありません。
なぜなら、自動売買の本当の利益は、これらの決済や評価額ではなく、自動売買の利用を終えた時です。
つまり、その過程である利益や含み損に一喜一憂しても意味がありません。
意味があるとすれば、そのゴールを利益のあるもので終わらせるためにFXが継続できるか、できないかと言った場面です。
よって、最後に利益を上げた状態でゴールできることが重要という意味があることを理解することが大事です。
FX自動売買の含み損の計算方法とは?
自動売買によって含み損の計算方法は若干異なりますが、基本的に今決済されていない通貨と現在の評価額の差が含み損になります。
例えば、1ドル100円で買った注文、1ドル110円で買った注文、1ドル120円で買った注文がそれぞれ1ドルずつあるとしましょう。
そして、現在1ドル90円だとしたら、それぞれ10円、20円、30円の含み損が発生しているので、合計60円の含み損が発生していることになります。
こういった計算をするのですが、無数にある場合は「含み損は逆行Pipsを2乗してナンピン幅の2倍で割る」というものも存在しています。
pipsは通貨単位のことで、日本円の場合1銭の意味です。
この場合、下落した価格のことを逆行pipsと言います。
ナンピン幅も触れていきましょう。
ナンピン幅は、自動売買などで注文を仕掛けていった幅という意味となります。
例えば、10円以上の下落が発生したとしたら、逆行pipsは1,000Pips、ナンピン幅(自動売買で仕掛けていった注文の幅)が25銭だったとしたら1525pipsです。
これを当てはめると、含み損 = (1,000^2)÷(25×2) = 20,000円になります。
これは、100通貨単位(ドルなら100ドル、日本円なら1万円を意味する)の数字で、取引金額が1,000通貨単位であれば20万円の含み損です。
こういった計算でも出せますが、分かりやすい自動売買であれば評価損益という項目に自動計算された金額が出されます。
FX自動売買で大損を回避するために重要なタイミングとは?
自動売買で含み損を損切りしていったん仕切り直しをするタイミングというのも存在します。
そのタイミングについてもお話ししていきましょう。
マニュアルで損切りする指示が出る時
マニュアルで損切り指示が出る時は、大人しく損切りをした方が無難です。
危険ということを意味しているわけですから、その通りに行動した方が安全な状態で損切りをおこなうことができます。
証拠金維持率が低水準な時(ロスカットの危険性)
証拠維持率が低水準な時は、投資した金額が含み損を下回り、FXができなくなるため早めに損切りを行うのがおすすめです。
この証拠金維持率とは、必要証拠金に対するユーザーの純資産の割合を意味します。
例えば、証拠金維持率が200%であれば、投資した金額(証拠金)が含み損の2倍あることの意味です。
言い換えれば、証拠金維持率が100%を切ってしまうと、証拠金よりも含み損が多くなってしまっていることを意味するので、ロスカットとなります。
トレンド相場で含み損が拡大していく時
トレンド相場とはどんどん価格が上昇、あるいは下落に進んでいく相場のことです。
こういった状況になると含み損が拡大していき、徐々に先ほどお話しした証拠金維持率が低下していきます。
こういった時、ちょっとしたきっかけ(政府要人の発言など)で一気にその相場の傾向が強まってしまうことがあり、いきなりロスカットになることも少なくありません。
こういったことを回避するために、証拠金維持率が厳しくなりトレンド相場がどんどん進展していく状況にある場合は、ロスカットを止める意味で損切りしましょう。
コロナの影響で多くの自動売買が大損を出した
最近の話題、新型コロナウィルスの影響もあり、2020年2月下旬以降の相場が非常に不安定になっています。
これによって、ワンパターンな自動売買は多くの含み損を抱え、立ち行かなくなりました。
こういったトラブルもあるので、事前に雲行きが怪しくなったら止める勇気を持ちましょう。
FX自動売買で大損しないために覚えておくべき6つのポイントを紹介!
最後に、FXの自動売買とどのように付き合っていけばいいのかと言うポイントを6つ紹介していきます。
これは、リスクヘッジやメンタルケアといったものや簡単なテクニックについてまとめたものです。
それでは、解説していきましょう。
投資額は失っても平気な額に設定する
FXで致命的なのは、取引によって生活が立ち行かなくなった時です。
こういった場面では、時に命を絶ってしまったり、精神を著しく病んでしまうこともあります。
そういったことがないように、なくなってもいい金額で取引を行いましょう。
例えば、投資額も小遣い程度、あるいは余剰資金で行い、最悪損切りで全部失っても問題ないような金額で行うのがおすすめです。
生活費まで自動売買につぎ込んでしまうと大変なことが起こります。
そういったことを回避するために投資額をコントロールしましょう。
十分な証拠金を用意する
どんなに含み損が増えても、継続して最後に利益を持ってゴールできれば成功です。
そのため、どんなことが起こっても耐えられる十分な証拠金を用意し、証拠金維持率が常に高めになるようにしておくこともポイントと言えます。
備えあれば憂いなしですから、十分な証拠金があれば、いきなりロスカットと言う目にも遭いません。
長期的な目線で自動売買を見守る
自動売買は、基本的に含み損を抱えて運用される仕組みです。
そのため、短期のうちは利益でこの含み損をペイすることができません。
こういった含み損を利益が上回って投資全体で勝つためには、長期の時間が必要です。
そういった意味で、長期的な目線をもってロスカットに注意しながら運用を行っていきましょう。
不安になった時には期待値を思い出す
一時的な含み損の増大で、気分がふさぎ込むことも少なくありません。
そんな時はバックテストなどで導き出した期待値を思い出し、何とか耐えて、期待できる利益を手にしようと考えましょう。
そう考えたり、思い出すことで気分も前向きになり、建設的な対応もできるようになります。
短期間に損益を確認しすぎない
気になって頻繁に損益を確認する方がいます。
しかし、実際に取引を終了した時に本当の損益が分かりますから、一時的なものを見て一喜一憂するのは意味がありません。
安定した気持ちで日常生活を送るには、思い出した時に損益を確認する程度にしておき、気にするのは証拠金維持率などFXが継続できるかどうかに注目します。
気持ちが沈んだ時にはリフレッシュ
少なくないお金を動かすので、どんな人でも気持ちが沈むことも少なくありません。
そういった意味で気分が沈んだら、リフレッシュをしていきましょう。
散歩や睡眠、ハーブやアロマで香りを楽しむ、別の作業をする、自動売買自体を止めて距離を置いてしまってもいいのではないでしょうか。
いずれにしても気持ちをリセットすることは重要です。
ちなみに僕は、気分が沈んだ時には海へ出ます^^
まとめ
自動売買は、リスクなしに簡単なお金が入ってくるという理解をしている方も少なくありません。
しかし、実際は常に含み損を抱え、その含み損を長く付き合うことが要求されます。
そういったことで時々気分も塞ぎますが、リフレッシュをしたり、期待値を思い出して活動しましょう^^