こんにちは!
シェリーです。
今回は、自動売買システムを利用した際の「損切り」について書きました。
「損切り」というよりは「ロスカット」という言葉の方がなじみのある人もいることでしょう。
「損切り」はFX取引を大きく左右する大切な手法です。
「損切り」の重要性を理解し、自動売買システムにおいても「損切り」を有用に活用し、利益の積み重ねに生かすために知っておくべきことをまとめてみました。
ぜひ参考にしてください^^
この記事の目次
FXの損切りについておさらい
まずは、「損切り」についてあらためておさらいをしたいと思います。
FXで損切りをすることは非常に大切で、損切りができない人はFXをやらない方が良いと言っても過言ではありません。
とは言っても、損切りができていない人は意外と多いというのが現実です。
絶対やった方が良いとわかってるのにできない。
その原因は、プロスペクト理論という行動心理が作用するからなんです。
これを理解し自分を客観的に見つめることで、よりロジカルにトレードを進めることができるようになります。
損切りに抵抗を生ませるプロスペクト理論
上記の説明だけでは少しわかりづらいと思うので一言で表すと、
人は目先の損失から逃げて目先の利益にすがる
ということです。
例えば、プロスペクト理論の実験では被験者に以下のような質問が提示されます。
A. 確実に100万円がもらえる
B. コインを投げて表が出たら200万円、裏が出たら0円
皆さんも自分だったらどうするか考えてみてください。
ちなみに、AとBは期待利得が全く同じです。
実験の結果、この質問への回答は「圧倒的にAが多い」となりました。
さて、なぜこのような結果になるのでしょうか。
それは、
この質問を提示された時点で「自分は100万円を持っている」という認識となり、万が一コインを投げてBが出たら「自分は100万円を失ってしまうんだ」という恐怖を抱いてしまうからです。
この失う恐怖がFXのあらゆるシチュエーションで働き、特に損切りでは顕著となります。
損切りというのは含み損を確定する作業なので、自分の損を認めることが大前提なんですね。
損切りをしたらお金を失ってしまう、もう少し待てば利益になるかもしれない。
そんな希望的観測によって行動が左右してしまうため、損切りができない人が多いのです。
しかしこれは裏を返すと、この行動心理を理解しコントロールすれば他者と差を付けることができるということです。
FXの自動売買の損切りの重要性とは?
「損切り」とは、FX取引をはじめとして株式・先物取引などでも使われる言葉です。
「ロスカット」とも呼ばれています。
「損」や「ロス」という言葉はマイナスのイメージが強いですが、FXではこのマイナスのイメージと真剣に向き合っていかなければなりません。
FXでは、価格の上昇・下落が続き損失が拡大する可能性があると判断した場合に、損切りを行います。
しかし前述のプロスペクト理論の通り、損切りという操作には「損をしたくない」という心理が強く影響し、手が動かなくなってしまうケースがあります。
具体的には、
「もしかしたらこれから持ち直すんじゃないか」
「もう少し持ち直してから損切りしよう」
といった心理です。
根拠が明確にある場合は別ですが、感情に支配され根拠なしに損切りを怠ると大変なことになりかねません。
また、損切りはタイミングが重要であり、感情に流されると適切なタイミングを逃すことにもなりかねません。
とにかく感情に流されるのは厳禁です。
なぜこんなに口すっぱく言うのかというと、
損切りを行うことは「損失の拡大を防止する」「資金を守る」ために非常に有効な手段だからです。
損切りはFXにおける重要な取引テクニックで「損切りを制する者はFXを制する」とも言われます。
この言葉は、損切りの重要さをわかりやすく伝えてくれています。
そして、この言葉の重要性を十分に理解する必要があります。
為替市場は時に突発的に相場が非常に激しく動くことがあり、ほんの数秒であっという間に上昇したり下落したりします。
しかし、これは決して珍しいことではありません。
ある程度動きが予想できる定例の指標発表などもありますが、中には予想が難しい場合もあります。
自身の予想以上にレートが逆行してしまうというケースを想定し、損切りを準備しておくことが大切です。
このように、損失を想定以上に拡大させない手段の一つが「損切り」なのです。
FXの自動売買で損切りがされないと危ない理由とは?
FXの自動売買は「あらかじめ設定したルールに従って自動的に通貨売買を繰り返すシステム」です。
損切りの設定も行うことになります。
しかし、損切りの設定をしていないと損切りが実行されないこともあります。
相場は短時間で急激に変動することがあります。
その相場の変動が想定よりも大きく動いた場合は、「想定以上の利益」「想定以上の損失」のいずれかが生じていることになります。
利益の場合は全く問題ありませんが、損失が生じたにも関わらず損切りを実行しない場合は、現状以上に損失が拡大する恐れがあります。
また、損切りをせずにポジションを保持したままにすると、「機会損失」を招く恐れもあります。
このポジション保持は、場合によっては「塩漬け」なんて言われ方もします。
漬物のようにつけておく間は何もできないということを意味しています。
ポジションを保持するためには、「証拠金」という資金が必要です。
これは言ってしまえば担保のようなもので、ポジションを保有している間は動かすことができません。
そんな時にチャンスと思えるエントリーポイントが現れても、資金不足からエントリーを見送るハメになります。
だからといって証拠金以外で残っている資金を動かすと、証拠金維持率が一定値を下回り「強制ロスカット」が発生する可能性もあります。
チャンスはいつ来るかわかりません。
そのチャンスをみすみす逃すことになれば、悔やんでも悔やみきれませんよね。
このように「機会損失」とは、ポジションを閉じずに保持しているがために動かせる資金が少なく、チャンスにエントリーができなくなってしまうことを指します。
「機会損失」は大きなリスクです。
チャンスはそう度々来るものではありませんから。
まとめると、
・さらに損失が拡大する可能性がある
・チャンスにエントリーできなくなる可能性がある
以上の2点が損切りを行わないことによるリスクです。
いずれも大切な視点なので、損切りの有用性はしっかりと理解しておく必要があります。
FXの自動売買で損切りすることの3つのメリット
損切りを行うことのメリットは3つあります。
・損失の拡大を防止し、資金が守られる
・資金効率を上がる
・エントリーポイントを見抜く力を養える
また、メリットとしてお伝え出来る要素ではありませんが、自動売買の損切りは感情に流されず機械的に実行されます。
これは人によってはメリットです。
損切り操作の最大の敵ともいえる「感情」の入り込む余地がないので、悔しかろうなんだろうが勝手に損切りが実行されます。
これは自動売買の特性というべき事項なので、ここでは触れません。
メリット①:損失の拡大を防止し、資金を守られる
まず一つ目の「損失の拡大を防止し、資金が守られる」ですが、これは損切りの最重要ポイントです。
想定以上の相場の変動で大きく資金を減らすことのリスクを軽減できることはこれまでお伝えしてきました。
この事実は、大きなメリットになります。
自己資金を守ることは、言い換えれば自分自身を守ることになります。
ですから、最大のメリットと考えていいでしょう。
メリット②:資金効率が上がる
次に、「資金効率が上がる」というメリットに関してですが、
FXでは、損失のあるポジションを保持することで、新しくポジションを保持するために資金を動かすことができなくなります。
資金が動かせないと、チャンスとなるエントリーポイントでの新規のエントリーができなくなる可能性が生じます。
「損切り」して損失を確定してしまえば、ポジションを保持するための資金は必要なくなります。
次のチャンスをつかむためには失敗を引きずらずに切り捨てることも必要だということですね。
これが二つ目のメリットです。
小さな損失であれば、これから先のトレードで簡単に取り戻すことも可能です。
しかし大きな損失は、大きなリスクを背負うか、長い時間をかけて取り戻すかしか方法がありません。
これはできれば避けたいですよね。
チャンスはいつ来るかわからないので、それに備えておくということも重要な視点です。
メリット③:エントリーポイントを見抜く力を養える
自動売買のエントリーポイントには、一つ一つに明確な理由・ロジックが存在します。
損切りが実行されるということは、エントリーポイントの判断にミスがあったと考えることができます。
つまり超ポジティブに考えると、損切りされたトレードを振り返ることでFXの手法を学ぶ機会が得られるのです。
自動売買に頼りっきりの人は特に関係ありませんが、自身の判断でFXを行う場合の学びの機会になるのは大きなメリットです。
簡単に「エントリーポイント」と表現されますが、エントリーには根拠となるものが必要です。
その根拠を見出す力を養うのは、一つに書物などから学ぶという方法がありますが、学びの一番の有効な方法は、「経験」と言えます。
「経験」においては「失敗経験」が重要と言われます。
「損切り」はいわゆる失敗ですから、多くの学びがある宝物です。
そこからの学びを吸収するかしないかでは、FXの力量に大きな差を与える事実があります。
長くFXをされる方には最も大きなメリットとなるはずです。
デメリット:損切りの有用性に差が生じてしまうことがある
損切りの基準をどこに設けるかは、基本的に「pips」で指定を行います。
一般的に「ピプス」と呼ばれているものです。
しかしここで難しいのが、指定するpipsの幅を相場の値動きの激しい時と穏やかな時で臨機応変に変えていかなければならないということです。
自動売買では損切りラインをpipsで指定していることがほとんどですが、
値動きの幅に合わせて損切りラインのpips変動幅を随時自動で広げたり狭めたりはしてくれません。
つまり、常に一定のため相場の動き方によって損切りの有用性に差が生じてしまうというデメリットがあります。
結局、どの相場の動きの時にエントリーするかといった事柄はプログラム任せにできない側面が残るということです。
「自動」という言葉で、自身の判断を必要としないと考えている人には大きなデメリットと言わざるを得ません。
それでも、このデメリットは学びでいくらでも解消できます。
ですので、積極的に学ぶことをお勧めします^^
FXの自動売買で損切りが必須となる2つの理由とは?
さて、ここまで色々申し上げましたが、最後にFXで損切りする理由の根本となる部分についてお話ししたいと思います。
なにも、皆さんを苦しめたくて損切りが重要だと言っているわけではないんですよ!
最終的にトレーダー自身の成果に繋がるからこそ、言っているんです。
それでは見ていきましょう。
FX取引は資金を全損しないように進めることが前提
FXは、資金を増減を繰り返し、最終的に増やすことを目的としたゲームです。
しかし、増やすにも減らすにも資金(元本)が必要だというのは誰もが知っていることですよね。
資金がなくなったら何もできなくなるんです。
つまり、FXで死んでもやっていけないことは資金を全損することです。
なので、
「ある程度の損失はガンガン許容しちゃって次頑張ろう」
これで全然良いんです。
ただ、振り返り・反省はきちんと行なって次に活かしてくださいね。
連敗が続きじわじわ資金が削られるという時期もあるかもしれませんが、それは自身の実力不足と認めて学びにしていきましょう。
とにかく資金さえ残っていれば、最終的にはどうとでも挽回できます。
合理的な判断・行動力のトレーニング
FXでは、損切りに限らず様々な意思決定のシチュエーションがあります。
エントリー、利益確定、相場分析などなど。
そしてその際には、自分に得となる選択肢を感情を捨て去り機械的に選んでいく必要があります。
しかしながら、プロスペクト理論の通り、人間はこれがとても苦手な生き物です。
なので、トレーニングして慣れていくしかありません。
その代表的な練習方法というのが「損切り」になります。
機械的に損切りを繰り返していくと、必ず慣れてきます。
そのうち僕みたいに損切りが楽しいとか言い出しちゃいます(笑)
そうなってしまえばもうメンタル面は楽勝で、辛いシチュエーションでも超合理的に判断できるようになります。
ほとんどの人がそうなっていないから、FXは9割の人が負けているんですね。
じゃあ、皆さんがこれからすることは決まったも同然ですよね!
まとめ
FXの自動売買システムには多くの種類が存在します。
細かな設定をするものからほぼお任せのものまであり、利用者のスキルや実情に合わせて自身のスタイルに合う適切な自動売買システムを利用することが大切です。
しかし、どのシステムを利用してFXの自動売買を行うにせよ損切りが重要だということは、ここまでの話の通りです。
「資金を守る」「効率の良い運用」という視点から損切りが有効なテクニックであることは間違いありません。
ただし、どの幅で設定するのかといった判断は永遠の課題となります。
損切り実行からエントリーの判断を振り返り、自身のFX取引において適性の「損切り」基準を見出す、というサイクルを繰り返し、学び続けなければなりません。
キツイことを言いますが、
努力をせずに利益を得ようとするのは浅はかです。
システムを有効活用し、かつ学びを重ね、自動売買システムを使いこなすことが大前提です。
FXの運用力向上のためにまずは、「損切り」を行うことの意味をしっかりと理解し、適切な損切り基準を身に着け、トレードに活かせるよう学びのきっかけとして活用していただければ幸いです。