こんにちは!
シェリーです。
今回は投資リテラシーの高い方々が気になっているであろう、FXのEAだけで生活できるのか?について書きました。
本来は人が判断し売買の注文を出すのがあたりまえのFX。
それを自動で売買してくれるExpert Adviser(略してEA)が、個人トレーダーにも広く使われるようになりました。
損切の基準など勝つためのルールを定めてトレードに臨んでも、人間には感情があり、損失が出ている時などは「もうちょっと待てばなんとかなるかもしれない」と損切をためらってしまうこともあります。
エントリーすべきかどうか迷ったり、決済のタイミングに迷って後悔したことなど誰もが経験してきたことでしょう。 このように人の心は揺れ動きやすく、なかなか機械のようにはなれません。
それならば勝てるルールを機械的にやってもらえるEAは、人間が自分で売買を行うよりも合理的な選択といえます。
しかし、
このEAで利益を出し続けられるものなのでしょうか? もっと言えば、FXのEA(自動売買)だけで生活できてしまうものなのでしょうか?
とても気になるところではないでしょうか?
この記事の目次
FX自動売買だけで生活することはできる?
“FXの売買をEAに任せておけば、生活に必要な収入が自動的に得られる”
というのは夢のような話です。
これは実際に不可能なことなのでしょうか? EAで利益が出るなら誰もが考えることでしょう。
現在たくさんのEAが出回っており、実際には「どのEAであろうとも100%無条件に勝ち続ける」ということはありません。
しかし、だからといってダメだと決めつけることもないのです。
どのEAを選ぶのか、またリスク分散の体制など適切な管理のもとで、それは実現可能なのです。
現実にFXのEA(自動売買)だけで生活している人も少なからず存在しています。
そうなるためには具体的にどのようにすればよいのでしょうか。
FX自動売買だけで生活できるようになるまでの4つの手順とは?
FXのEA(自動売買)で生活できるようになるまでには、4つの段階的な手順を踏まなければいけません。
FX取引環境を整える
まず、FXで為替取引が出来るようにしましょう。
FX業者の取引口座を開設することから始まります。
その際には、取引ツールに注意が必要です。
MT4(MetaTrader 4)などのような、EAが使用できる取引ツールがあるFX業者でなければなりません。
FXの売買ツールとして有名なMT4には使えるEAがたくさん公開されており、ダウンロードして使用することができます。
EAが使用できるFX業者を選び口座を開設し資金を入金した段階で、ひとまず取引ツールから人による為替取引が可能となります。
そして次はそこにEAを導入していきます。
使用するEAを選び出す
口座を開設した段階ではまだEAが設置されていません。
EAは自分で作成することもできますが、既に多くのEAが公開されていますので、それをダウンロードして利用するのが手っ取り早いでしょう。
ここからはEAの調査研究の段階が始まるわけです。 EAは売買するルールを定めて自動取引するように設定したものです。
「利益が出るように自動売買してくれる」のではありません。
したがって、どのような売買ルールになっているのか、どのような相場で実績があるかなど、よく吟味する必要があるのです。
その手掛かりとして、MT4などでは“そのEAが過去の値動きで利益をどれほど出せたか”をテストするバックテストが可能で、
もしそのEAを過去に使っていたら儲かっていたのか?損をしたのか?がわかります。
口コミや評価だけでなくバックテストを参考にしてEAを選ぶと良いでしょう。
また、将来の収益を予測する手段であるフォワードテストも非常に調査にあたって重要な判断材料となります。
自動売買の環境構築
自動売買は自分のスマホやパソコンからも可能ですが、常にそのような端末を立ち上げておく必要があります。
逆に言えばスマホやパソコンなどをOFFにすれば、自動売買は行われません。
これを、自宅の端末のON・OFFに関わらず24時間稼働させるには、サーバーに自動売買のシステムを構築する方法があります。
Virtual Private Server(略してVPS)と呼ばれるもので、それをレンタルする形で自動売買を稼働させます。
FX業者が提供している場合もあれば、VPSのみをレンタルしている業者もありますので、検討してみると良いでしょう。
VPSを用意せず自宅のパソコンを24時間稼働させる方法もありますが、コスト面からみるとVPSをレンタルした方が良い場合が多いです。 最初は自宅の端末で運用してみて、慣れてきたらVPSを用意して稼働させるという考えもありでしょう。
EAの運用と調整
EAは機械的に定めたルール通りの売買を行います。
それが感情に左右されやすい人間の判断よりも優れた結果を出すことがあるのですが、相場の局面による臨機応変な対応はしてくれません。
売買実績を見ながらEAの選別や入れ替えなどは、人間がしなければいけない仕事。
つまり現状にあった体制を整えることは常に必要で、完全に放置することは危険です。
要するに
裁量が一切入っていない、ツールのみの稼働のEAは極めて危険だということです。
なので裁量とEAを半々で稼働させているEAシステムを選ぶと良いでしょう。
FX自動売買だけで生活するために必要な軍資金の目安はどのくらい?
ここからは、実際にFAのEAで生活するためにはどのくらい軍資金が必要なのかを、目安として示していきます。
初期費用
FXの口座開設そのものはインターネット環境があれば、費用はかかりません。
あとは為替取引のための証拠金としていくら口座に入金するのかという問題です。
また、EAについては無料で手に入るものもあれば有料のものもあります。もし有料のEAを使うならそれらの費用が軍資金として必要となります。
証拠金に対する利益率の平均を把握する
EAで得た利益で生活するには、最低でも平均して利益が出ている必要があるのは当然のことです。
その利益は一月当たり証拠金の何%なのかを、運用している自動売買の結果から割り出してみましょう。
売買益はその時々で良かったり悪かったりするもので、平均してどれほどかを把握することが大切です。
利益率から必要な証拠金を逆算
生活費として必要な額を利益として生み出すためには 生活費 ÷ 利益率 = 必要な証拠金 で計算できます。
そしてEAに任せるという点からみて、証拠金維持率をキープするため、その2倍程度が望ましいところです。
もし証拠金に対する月当たりの利益率が20%、生活費が50万円だとすると、必要な証拠金は250万円ということになります。
つまり、この場合ですと軍資金の目安は初期費用+証拠金250万円となるわけです。
ただし、EAは機械的に取引を行いますので、証拠金維持率にゆとりを持たせたいという観点から2倍程度の500万円と考えましょう。
EAによって必要証拠金が設定されている場合
EAによっては、大きな値動きの中でポジションを維持するタイプもあります。
証拠金が十分にない場合のロスカットリスクも考慮して推奨証拠金以上の金額は必要と考えてください。
軍資金もFXのEA(自動売買)で稼ぐ
いずれにしてもEAで利益が出せないことにはどうしようもありません。
利益を出せる自動売買の環境を構築することが最優先課題となります。
そして、それが出来上がったなら軍資金をEAで稼ぎだすのも方法の一つでしょう。
必要な軍資金になるまで出金しなければよいだけです。
FX自動売買だけでの生活を目指す上での3つの注意点とは?
FXのEAだけでの生活を目指す上での注意するべき点は、3つあります。
複数のEAを稼働させてリスク分散
たった1つの優れたEAが財産を築いてくれたらありがたいのですが、現実にはそんな簡単な話はありません。
EAが得意とするまたは苦手とする相場局面があるものです。
常に複数の違った種類のEAを稼働させることがリスク分散につながります。
通貨ペアを分散する
取引していた通貨に問題が生じた場合、大打撃を受ける可能性があるのが為替取引の怖いところです。1つの通貨ペアに全力投入せず、分散してEAを設定しましょう。
トレードスタイルを分散
長期、短期、順張り、逆張り、損切や利確など人それぞれに違うのと同様、EAにも違いがあります。そのような違いでリスク分散すると良いでしょう。
EAの調査や研究は怠らない
無料のEAや有料のものなど、たくさんの数のEAが出回っています。
今使用しているものが最高のものとは限りません。
また、今使用しているEAがどのような実績を上げているのかこまめにチェックする必要があります。
売買は自動でやりますが、今からどのEAを使用していくのかは人間の判断ですから、使用するEAの選択などの環境整備は常に必要です。
ファンダメンタルズに注意
不測の事態が発生すると為替相場は一変します。
相場が大きく変化すれば、今使用しているEAは全く通用しない可能性が高いのです。
EAだからといって放置してただ待っているのは危険。
世界の動きには常に注意が必要で、ファンダメンタルズによっては人間の判断でEAを停止する必要があるでしょう。
EAは世界情勢を考慮してくれません。
FX自動売買だけでの生活まとめ
FXのEAで生活できるようになるために必要な物事についてこれまでの話をまとめてみましょう。
まずFXのEA(自動売買)で生活している人々は少なからずいます。
それで生活することは実際に可能です。
ただし、自動売買を放置しているだけで勝手に利益が転がり込んでくるような簡単なものではありません。
そのために軍資金や環境の準備が必要。
まずEAが使用できるFX口座、実際に使用するEA、VPSなどのハードウェア環境を準備する必要があります。
また生活費が稼ぎさせるかどうかは利益率と証拠金の額で決まるので、それなりの資金も必要です。
売買は24時間休みなくEAが行ってくれるとしても、EAの選別・入れ替えや停止を含む環境整備は常に人がしなければいけません。 EAであってもリスクは当然ありますので注意が必要です。