こんにちは!
シェリーです。
今回は、ボリンジャーバンドの使い方と、ダブルボリンジャーバンド(Double Bollinger Band)という手法についてご紹介します。
ダブルボリンジャーバンドは日本ではあまり知られていない手法となりますので、是非本記事を読んで習得してください。
FXのテクニックの一つに、ボリンジャーバンドを見る戦略というものがあります。
このボリンジャーバンドとはそもそも何なのか、そしてこのボリンジャーバンドの特徴や他の技術との違いは何なのかと言ったことを項目別にまとめました。
これを読めばきっとボリンジャーバンドや、その応用であるダブルボリンジャーバンド(Double Bollinger Band)の戦略について多くのことを知ることができるでしょう。
この記事の目次
ボリンジャーバンド手法のおさらい
ボリンジャーバンドとは、通貨の価格がこの範囲で収まるだろうということの目安となる価格を示すバンド(帯)です。
通貨の価格がこの先どういった金額で収まるか知りたい方は少なくありません。
特にFXの場合は大幅な価格変化が起こると証拠金が無くなるという致命的な局面に陥ることがあるからです。
また、逸脱した瞬間というのは、今までにない動きが発生しているということで売買を行うチャンスでもあります。
今までにない動きをとらえるという意味でも有効な指標です。
そんなピンチを回避するガイドやチャンスをものにするガイドとなるのが今回紹介するボリンジャーバンドになります。
移動平均線に標準偏差(σ※シグマ)を盛り込んだこのボリンジャーバンドについて、少し詳しくお話ししていきましょう。
まず、移動平均線とはFXを含めた株式相場・外国為替相場・金相場など様々な金融商品の動きを一つの流れとして捉えることができる線グラフのことです。
これは一定期間の平均価格を日々計算して出した「答え」を線でつないでいったものになります。
これによって現在の相場が今上がり気味で推移しているのか、あるいは下がり気味で推移しているのか分かるという線です。
例えば5日移動平均値は、5日分の平均価格を意味します。
そして、日々の平均価格を線でつないだものが5日移動平均線と呼ばれるのです。
この線からどのくらいの金額で推移していくのかの上限と下限の目安を、ボリンジャーバンドのσ線が移動平均線を挟むように進んでいくというものになります。
ボリンジャーバンド手法の使い方とは?
ボリンジャーバンドの使い方は、通貨の価格がどの程度で収まるかを知ることです。
一言で言えば、相場の勢いを読むために使います。
このボリンジャーバンドは、相場の勢いを視覚的にわかりやすく表すことが出来る特徴があるため、相場の状況を読むのに最適なのです。
そんなボリンジャーバンドには二つの(計算を厳密にすればもっと多くのσがあるが、主に使われるものとして)σがあります。
1σはある期間の約68%の確率でこの範囲内に終値が収まるという目安、2σはある期間の約95%の確率でこの範囲に終値が収まるという目安です(3σに収まる確率は約99%。)。
つまり、2σの線の範囲内に95%の確率で次の価格は収まるということが分かります。
具体例として1ドル100円の相場を例に出しましょう。
例えば、1ドル100円の相場で、2σの上(+2σ)は102円、2σの下(-2σ)は98円を示していたら、次の局面では約95%の確率で98円~102円の間に収まるということが示されます。
これによって、もし2σを逸脱したら、買われ過ぎや売られ過ぎになっている可能性が高いと判断し売買のチャンスとなっています。
しかし、これを逸脱している場合は普段とは異なった流れになっていることからFXで証拠金が無くならないように注意しなければいけない場面でもあるのです。
ピンチとチャンス、二つの目安となるボリンジャーバンドですが、チャンスとしてとらえた場合のボリンジャーバンドの2つの使い方をさらに踏み込んで以下で解説していきます。
1つは順張りでの取引での使い方、もう1つは逆張り取引での使い方を挙げます。
順張りでの使い方
順張りとは、通貨の価格が上がってきているときに通貨を買っていき通貨の価格が安くなってきているときに売るというものです。
基本的なトレード方法で、初心者向けの方法でもあります。
そんな順張りのトレードでの使い方は、±2σをはみ出したら順張りで売買を開始するという合図としてです。
逸脱したということは価格が上がるあるいは下がるというトレンド相場という状況が発生していますから、上がっていれば通貨を買い始め、下がっていたら売り始める合図として使います。
逆張りでの使い方
一方逆張りとは、順張りの逆で、通貨の価格が上がってきているときに通貨を売り、下がってきているときに買っていくというものです。
最近話題のFXの自動売買(特にリピート系と呼ばれるもの)でよく行われている売買パターンになります。
人間の手で行う裁量取引では、やや上級者向けの方法です。
これも基本的には、、±2σをはみ出したら順張りで売買を開始するという合図として使います。
順張りと逆なのは、+2σを逸脱したら、価格上昇の合図なので売り始め(順張りは買い始めなので逆です)、-2σを逸脱したら価格下降の合図なので通貨を買い始めるのにボリンジャーバンドを使うのです。
ただ両者の違いとしては、順張りの場合売買のシグナルが少ないものの収益は大きく出やすく、逆張りの場合は合図が多いものの売って決済するタイミングが少ないことから利益が小さいという特徴があります。
ボリンジャーバンドの考案者であるジョンボリンジャーは、順張りの指標であるということを明言しており、順張りで利用するのが基本的な使い方です。
このようにFXで売る、買う、あるいは休止するといった何らかのアクションを取る指標として使えるのがボリンジャーバンドと言えます。
ボリンジャーバンド手法の短期・長期の特徴とは?
ボリンジャーバンドは短期、長期のボリンジャーバンドが存在します。
この期間の設定によってそれぞれ特徴が異なるのです。
そんなFXの短期・長期のボリンジャーバンドの特徴について、短期、長期それぞれを項目ごとに解説していきます。
短期のボリンジャーバンドの特徴
短期に設定したボリンジャーバンドは、短期トレードのスキャルピングやデイトレードに利用されます。
スキャルピングとは、数秒~数分で取引を完了、デイトレードは数時間から数日の短期間で取引を完了するものです。
この短い期間にボリンジャーバンドを当てはめて利用する場合には、それぞれ「良い点」、「悪い点」があります。
良い点は小さな価格の動きがボリンジャーバンドでとらえやすいこと、すぐにボリンジャーバンドが反応することです。
一方悪い点は、ノイズが多いという点が挙げられます。
良い特徴
良い特徴について最初にお話ししていきましょう。
小さな値動きがバンドに反映されやすい点ですが、その瞬間の価格に対して今後どういった範囲で価格が推移するか分かりやすいというメリットがあります。
また、価格推移の計算としては(マシン上で)比較的簡単にできるというメリットもあることから、すぐにこのバンドが表示できると言うのも便利です。
そのため、ボリンジャーバンドの指標がすぐに出てくるため、短期で取引をしたいスキャルピングやスイングトレードで参考にしやすいという特徴があります。
悪い特徴
悪い特徴は、ノイズが多いことです。
ちょっとしたことで価格推移が現れてしまい、ダマシにつながってしまいます。
短期のボリンジャーバンドを目安として信じ切ってしまうとノイズのような指標に反応して損失が出る場合もあるのです。
そのため、ボリンジャーバンドを利用して積極的に利益を出す場合、こういったノイズによる損失もある程度織り込んで取引することが重要と言えます。
長期のボリンジャーバンドの特徴
長期のボリンジャーバンドは、数日から数週間のスイングトレードや数か月から数年にかけてFXを運用する中期~長期保有のトレードで利用されます。
これは、20、21、25、時に50、75と言った非常に長い期間の平均を使ったボリンジャーバンドを使うのが特徴です。
この長期のボリンジャーバンドの特徴は、ダマシが少ない、長期トレードに有利と言ったポジティブなもの、遅れが発生する、細かい動きが苦手と言うネガティブなものが挙げられます。
良い特徴
良い特徴としては、長い視点で設定されたボリンジャーバンドなので、かなり精度が高くダマシが少ないというものです。
これによって長期トレードに有利に進むことが多く、少ない手数で確実に利益を狙っていくという場面に有利な設定と言えます。
悪い特徴
悪い特徴は、遅れが発生することや細かい動きが苦手と言うものです。
多くのデータを元に算出するため、すぐにはボリンジャーバンドが出にくいことが挙げられます。
さらに大まかな動きを正確に予測するものなので、短期トレードに利用すると大まかすぎて目安にならないという弱点も特徴です。
このようにボリンジャーバンドも適した期間を設定しないと思いもよらない損失を出してしまうことも少なくありません。
ボリンジャーバンド手法とMACDの違いと使い分け方法をご紹介!
これまである意味古典的なテクニカルの指標であるFXボリンジャーバンドを紹介してきました。
ここからは、より近代的なテクニカルの指標であるMACD(マックディー、Moving Average Convergence Divergence移動平均収束拡散手法)について紹介します。
従来のFXボリンジャーバンドとはどのように違うのか、そして使い分けはどのように行うのかと言った話題をまとめました。
ボリンジャーバンドとMACDの違い
ボリンジャーバンドは、先ほども触れたとおり、この価格に収まるであろう目安です。
一方、MACDは2本の線を使って相場のトレンドや売買のタイミングを捉える目安になります。
これが二つの指標の決定的な違いです。
MACDをやや踏み込んで解説すると、この2本の線はMACDラインとシグナルラインと呼ばれています。
MACDラインは、頻繁に変化があるラインです。
実際の取引ではそこまで利用するものではありません。指数平滑移動平均 (しすうへいかついどうへいきん)を利用し線グラフにしたものです。
この指数平滑移動平均とは、過去の価格よりも直近の価格になるほど比重を置いて計算された平均値のことで、より直近の価格に近い平均値になります。
例えば、一週間前の価格と昨日の価格を同じレベルで計算した平均値より昨日の価格を重視した平均値の方が平均値として参考になるというものです。
シグナルラインは緩やかなカーブを描いているラインになります。
これは、先ほどのMACD値を単純平均したものです。
この二つのラインを使って相場のトレンドや売買のタイミングをとらえていくのがMACDになります。
MACDの特徴
次にMACDの特徴です。
単純な平均線である移動平均線よりも実際の値動きに近い線を描きやすく、特に1~3か月のスパンでの目安としてとても有効であるという特徴があります。
また、ボリンジャーバンドよりもダマシが少ないのでより精度が高いというのも特徴です。
MACDの使い方
使い方についても紹介します。
ボリンジャーバンドは、バンドを超えた時にアクションを起こすシグナルになるという使い方です。
一方MACDはデッドクロスとゴールデンクロスになった時、それぞれ売りのタイミング、買いのタイミングと言うことを意味します。
まず、クロスとは先ほど紹介した二つのライン、シグナルラインとMACDラインがクロスした状態です。
これが買い、あるいは売りのタイミングになります。
デッドクロスは売りのタイミングで、0ラインと呼ばれるMACDのグラフの0を意味するラインより上でクロスが起こった場合です。
さらにMACDラインが下降(金額が下がっていく傾向を意味する)し、逆にシグナルラインが上がったという条件がプラスされたものになります。
このタイミングで売り注文を行うというものです。
ゴールデンクロスは買いのタイミングで、0ラインよりも下でクロスし、さらにMACDラインが上昇(金額が上がっていく傾向を意味する)し、逆にシグナルラインが下がったという条件がプラスされたものになります。
このタイミングで買い注文を行うというものです。
さらに下降トレンド上昇トレンドも見ることができます。
これらはシンプルで、二つの線がともに0ラインを超えれば上昇のトレンド、逆に二つの線がともに0ラインを下回れば下降のトレンドになるという見方です。
このようにボリンジャーバンドよりも状況を把握しやすい、という点が異なります。
ボリンジャーバンドとMACDの使い分け方法
ボリンジャーバンドとMACDはそれぞれ特徴があります。
これを使い分けることでより有意義なFX取引が可能です。
ボリンジャーバンドでは、手じまいするタイミングと相場の勢いを見るのに使います。
そして、MACDは開始のタイミングとトレンドの傾向を見るのに使えるのです。
これらの使い分けが、それぞれの特徴を生かした使い方と言えます。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、先ほどもお話しした通り売買のタイミングを見つける以外にも休止するタイミングに使えます。
つまり、裁量取引を行っていて手じまいしたいタイミングで使うことができるのです。
±2σを超えたタイミングで手じまいを行うとダメージを最小限に、あるいは利益を最大限にしてFXが完了します。
また、ボリンジャーバンドは、相場の流れが分かりやすいことから、今後なだらかに変化するのか、あるいは急激に変化するのかを知ることもできるのです。
こういった局面で使うのが適しています。
MACD
MACDは、開始のタイミングを測るのに最適です。
端的に言えば、クロスしたタイミングでエントリーをすると買いや売りのベストタイミングになるため、先ほど説明しデッドクロスあるいはゴールデンクロスから買い注文スタート、売り注文スタートそれぞれのスタートを切るベストタイミングになります。
これは、ボリンジャーバンドでもできないことはありませんが、とても分かりやすい指標としてスタートはMACDの使用がベターです。
また、上昇傾向、下降傾向と言ったトレンドの傾向も分かります。
そういった意味でこれから価格が上がりそうか下がりそうかを知る場合に有効な手段です。
ボリンジャーバンド手法におけるDBB手法を紹介!初心者にオススメ!
これまで基本的なテクニカル分析についてお話ししてきました。
しかし今お話ししたボリンジャーバンドには、その発展型のダブルボリンジャーバンド(以下、DBB)があります。
このDBBについても紹介していきましょう。
DBBを簡単に言えば、ボリンジャーバンドにもう一つボリンジャーバンドを追加したものです。
例えば、通常±σないし±2σのバンドのいずれかが表示されることが多いのですが、両方表示あるいはいずれかのボリンジャーバンドに±3σなどを追加したものになります。
ボリンジャーバンドが2つあることで、±2σのボリンジャーバンドに触れる前に±σのボリンジャーバンドで事前の動きを分析できるのです。
こういったものの他にどのような利用ができるのかと言ったことを項目ごとに解説します。
チャートへの適用方法
チャートへの適用方法ですが、±σと±2σの二つを使ったDBBを例に紹介します。
システムによって異なるものの基本的に最初±2σと20周期(この周期は任意で可能)のSMA(単純移動平均線)を選択しましょう。
そして二つ目の±σに先ほど設定した周期と同じ20周期のSMAを選択します。
これで2つのボリンジャーバンドがチャートへ適応されるのです。
これら2つは同じ色でも構いませんが、異なる色の方が見やすくおすすめと言えます。
色は設定で変更可能です。
ゾーンのマーキング方法
表示されたら、次はマーキングを行っていきます。
σでも良いのですが、SMAをX、二つのボリンジャーバンドをA、Bに分けましょう。
そして、Xから上に離れたライン(バンド)を1、下に離れたライン(バンド)を2として、表示されているDBBの5つのライン(バンド)をそれぞれA1、B1、X、B2、A2とマーキングするのです。
こうすることでより理解しやすくなります。
5つのバンドが示す意味(A1, B1, X, B2, A2)
5つのバンドが示す意味についても解説していきます。
A1は+2σのバンドです。
つまり、Xから2標準偏差離れた上部のボリンジャーバンドになります。
このようにそれぞれのバンドについて意味を解説していきましょう。
B1は+σのバンドで、Xから1標準偏差離れた上部のボリンジャーバンドです。
Xはさきほどお話したとおりSMAで基準となるバンドになります。
B2は-σのバンドで、Xから1標準偏差離れた下部のボリンジャーバンドです。
最後のA2は-2σ、Xから2標準偏差離れた下部のボリンジャーバンドという意味になります。
このようにしてみていくと、分かりやすくDBBがより把握しやすいのです。
4つのゾーンとその意味(買い、中立1、中立2、売り)
若干ノイズが入るため、完全に正しい目安とは言い切れませんが、先ほど紹介したA1、B1、X、B2、A2で構成された4つのゾーンがあります。
全て紹介していくと、A1とB1の間にある上部のゾーンは通貨の買いゾーンです。
B1とXの間は中立1のゾーンで、強いトレンドはなく、トレーダーが継続するのに十分な勢いがないため、価格は取引範囲内で変動する可能性があります。
ラインXとB2の間は中立2のゾーンで、中立1と同様に強いトレンドにはいたっていないという意味です。
そして、B2とA2の間にきたときは、通貨を売るべきタイミング、売りゾーンを意味しています。
このように価格の推移する位置によって行動を変えることで比較的利益を上げやすくなるのです。
DBB上昇トレンドとトレード戦略
DBB上昇トレンドはA1とB1の2つの線の間にあるときです。
これは価格が上昇を続ける可能性が高いことを示す指標といえます。
このときのトレード戦略は、ロング(買いポジション)の維持か、新規の買いポジションを追加するのがベストです。
つまり、通貨を買っていくのが適した時期になります。
ただし、ローソク足が最上部のゾーンで閉じなくなった時点で買いを中止しましょう。
DBB下降トレンドとトレード戦略
DBB下降トレンドはA2とB2の間にある場面です。
ここでのトレード戦略は、は現在のショートポジション(売りのポジション)を維持するか、追加で売り注文を行うという戦略が適しています。
ただし、こちらもローソク足が最も低いゾーンで閉じなくなった時点で戦略の展開を中止しましょう。
DBBもみ合いトレンドとトレード戦略
DBBもみ合いトレンドは先ほど紹介したニュートラルゾーン、中立1あるいは2にある状態です。
こういった場合は、取引を制限するか(純粋なトレンドトレーダーの場合)、短期取引を目的にスイングトレードやスキャルピングによって利益を求める戦略をとります。
ただ、なれないうちは無理に短期取引に持ち込むのではなく、取引制限などの対応を行って、対処するという戦略が最適です。
まとめ
今回、ボリンジャーバンドやMACDといった基礎的なテクニカル分析、そしてボリンジャーバンドの発展型であるDBBといったより踏み込んだテクニカル分析を紹介してきました。
いずれのテクニカル分析もさまざまな特徴を持っているため、状況に応じて使い分けることによって、より確実な利益を狙うことが可能です。
ただし、ノイズと呼ばれるこれらの分析のとおりにならない事態もあります。
そのためこれらの分析に全幅の信頼を寄せるのではなく、万が一に対する備えも行ったうえで、それらの分析を行い利益を目指すというのが望ましい為替トレードのスタイルといえるでしょう。
これらの分析はとても参考になるので一度試してみると良いでしょう。
一度試してみれば、その傾向の高さに導入の意義を十分に感じられ、テクニカル分析への足がかりとなるかと思います^^