こんにちは！
シェリーです。
FXにおいて、全体相場を的確に掴んでおくことは非常に重要です。
現在がどのような相場なのかを知り、どのようにエントリーすべきかを判断することが利益を出すための基礎といえるでしょう。
FXの世界では、ファンダメンタルを分析し世界のマネーの動きを予想、またはチャートを活用し「ロウソク足、移動平均線、一目均衡表、RSI、MACD」など値動きの分析から相場を予想して、利益につなげようと様々な工夫がなされてきました。
そのための指標が、シンプルなものから複雑なものまで、実にいろいろ考案されています。
そしてここでは、そのチャート分析の1つ、値動きのトレンドを判断する移動平均線の形態である「パーフェクトオーダー」について解説していきたいと思います。
この記事の目次
FXのパーフェクトオーダーとは？
為替相場の値動きには、およその範囲を繰り返し上下するレンジ相場と、上昇や下降が長期に続くトレンド相場が見られます。
そして、トレンド相場を判断するうえで手がかりとなるのがパーフェクトオーダーと言われるチャートの形です。
短期・中期・長期、これら3本の移動平均線が、上から順番に並んでいる状態が継続していたら、上昇トレンドを示すパーフェクトオーダーで、
逆に上から長期・中期・短期と並んでいる状態が継続していたら、下降トレンドを示すパーフェクトオーダーと判断します。
移動平均線の性質上、上昇トレンドを示すパーフェクトオーダーは右肩上がりの線になり、下降トレンドを示すパーフェクトオーダーは右肩下がりの線となります。
上昇トレンドを示すパーフェクトオーダー
短期移動平均線は短期間の値動きの平均値ですから、中期＆長期移動平均線よりも高い値を示すのは、以前よりも直近の方が値が高い状況が続いていることを示しています。
また同じように、中期移動平均線が長期移動平均線よりも高い値を示すのは、過去◯日間の中期移動平均線の平均値が過去◯日間の長期移動平均線の平均値より高い傾向が続いていることを示しています。
つまり、上昇トレンドでは、
短期移動平均線＞中期移動平均線＞長期移動平均線
という図が構成されるわけですね。
下降トレンドを示すパーフェクトオーダー
下降トレンドでは、直近の短期移動平均線の平均値が最も低い値になる傾向が続いていることを示すことから、上昇トレンドは逆の構成となります。
長期移動平均線＞中期移動平均線＞短期移動平均線
という図になりますね。
トレンドを判断する移動平均線の形
実際の値動きはとても複雑で、上昇が続くように見えて買いでエントリーしてみると下がって損をしたなんてことはよくある話です。
値動きは上がったり下がったりしながらも、全体としては上昇トレンドだったり下降トレンドだったりします。
また明確なトレンドのないレンジ相場が続くこともあります。
このように捉えにくい相場状況を、「数本の移動平均線の並びがパーフェクトオーダーになっているかどうか」で判断しようということです。
FXパーフェクトオーダーの3つのメリットと2つのデメリットとは？
移動平均線の並び方によってトレンド相場かどうかを判断するパーフェクトオーダーですが、実際に相場分析に用いる際のメリットとデメリットが存在します。
事前にそれ知っておき、パーフェクトオーダーの特性を理解した上で使っていくことが望ましいですね。
先ずはパーフェクトオーダーを用いる3つのメリットについて、それぞれ解説していきます。
メリット①移動平均線のみで判断可能な為、わかりやすい
表示する移動平均線は基本的に短期・中期・長期の3本で、増やしたとしても5本までです。
移動平均線を表示させておけばパーフェクトオーダーかどうか一目でわかります。
移動平均線はチャートの中でも基本的な指標で、特に設定しなくても最初から表示されていることが多く、ロウソク足に次いで馴染みのあるテクニカル指標です。
そのため、わかりやすさ＆使いやすさが段違いです。
メリット②全体的な相場判断が短時間でできる
ロウソク足と移動平均線でこれまでの値動きをさっと捉えることができます。
その上、パーフェクトオーダーが見られるかどうかで全体的な相場判断が迅速に行えるのがメリットです。
下降トレンド相場で買いポジションを抱えて苦労するなんて状況は誰も望みません。
全体的な相場判断ができれば、「買いでエントリーすべきなのか、売りでエントリーすべきなのか」と、具体的な戦略へと考えを進めることができます。
メリット③トレンドフォローで大きな利幅
トレンドを把握したら、順張りトレードで大きな利幅を狙いたいところです。
長期トレンドに乗って大きく利益を出すのはトレードの醍醐味ですから。
パーフェクトオーダーに注目する最大の利点はこの順張りトレードによる大幅利益だと言えるでしょう。
次にパーフェクトオーダーを用いる際の2つのデメリットについて、それぞれ解説していきます。
デメリット①はっきりとしたトレンド相場は少ない
相場を長年見ているとわかりますが、長期にわたる明確なトレンドというのは滅多に来ません。
短期や中期のトレンドはたまにあるという程度です。多くは長続きしない小さなトレンドでしょう。
一説には、全体の6割から7割がレンジ相場だと言われているぐらいです。
移動平均線のパーフェクトオーダーから確かなトレンドだけを狙ってエントリーするには、根気よく待つ必要があるということを念頭に置いておきましょう。
デメリット②短期間に崩れるパーフェクトオーダーが多い
待ちに待ったパーフェクトオーダーがついに来たか！と意気込んで順張りエントリーすると、「あっという間にトレンド終了→損切り」なんて悲しいケースも少なくありません。
むしろ、トレンドが発生していたのかどうかすら疑わしく、「移動平均線がたまたまパーフェクトオーダーのような形になっただけ」と考えられる時もあります。
このような瞬間的なパーフェクトオーダーに慌ててエントリーしてしまうと、結果に繋がりづらいです。
FXのパーフェクトオーダーの勝率は実際良いの？
まず移動平均線の期間をどのように設定しているかで多少は変化します。
およそですが、短期は15～30MA、中期は50～80MA、長期は200～300MAのような範囲で利用されていることが多く、どの期間を採用するのかという規定はありません。
この期間によってパーフェクトオーダーが発生するタイミングが変わり、およその勝率は30％～45％程度に落ち着きます。
これを高いと見るか低いと見るかはトレード手法によります。
一般にパーフェクトオーダーを好機とみてエントリーするのは、トレンドに乗って順張りで大きく利幅を取りたいという考えからです。
負けた時の損切り幅よりも買った時の利幅を大きく取ることが基本なので、3割以上であれば十分な勝率と考えられます。
平均損切りを30pips以内に抑え、平均利益は平均100pips以上取っていれば勝てる計算です。
トレードフォローが成功した時は利幅を大きく取れるので、このような考えが取引手法として成立します。
FXトレード成績の指標にリスクリワード（損益レシオ）というものがありますが、これが3.3~3.5以上であれば勝率30%で形になる計算です。
FXのパーフェクトオーダーの手法を具体的に3つ紹介！
パーフェクトオーダーを活用した具体的なトレード手法・ルールを3つ解説していきます。
エントリー前に損切りルールを固めておく
パーフェクトオーダーをエントリーの指標とする取引手法で最も重要なのは損切りです。
エントリーした建玉の半分以上は損切りすることになります。
だからこそ、「何pipsの含み損で損切りする」という絶対的なルールを守ってトレードすることが重要です。
トレーディングツールに自動で損切りする機能が付いているのであれば、必ずそれを活用しましょう。
3本の移動平均線（短期・中期・長期）の期間を調整する
これでエントリータイミングが変わってきます。
各移動平均線の期間の長さは、過去チャートからトレンド相場を見つけて、ちょうど上手くパーフェクトオーダーが示されるように調整しておくと良いですね。
そして、実際のチャートでパーフェクトオーダーを確認、さらに全ての移動平均線が上昇または下降と向きを揃えた時がエントリーポイントとなります。
「パーフェクトオーダーが発生したからすぐにエントリー」ではなく、そのパーフェクトオーダーがいかに信頼できる形なのかどうかを確認してからエントリーすることがコツです。
また、ファンダメンタルズ要因が絡んでいるトレンドに乗りたいということであれば、パーフェクトオーダーに加えて世界の政治・経済動向に注視しましょう。
長期トレンドのエントリータイミング
リーマンショック時の1ドル75円の超円高から1ドル100円～110円の円安までの大型長期トレンドも、10年に1度くらいは期待できます。
しかし、そこまでの大きなトレンドでなくても、比較的長期間続くようなトレンドは何度か経験するでしょう。
そのようなトレンドなら途中からエントリーしても充分利益が取れますが、細かく揺らぐ上げ下げの波にうまく合わせて乗りたいものです。
トレンドに対して順張りで、なおかつ短期的には逆張りとなるように。
つまり上昇トレンドなら買いで入りますが、上昇しているタイミングではなく下げているタイミングでエントリーということになります。
もし順張りとして正しいエントリーだったとしても、その時の一時的な上げ下げの波で損切りとなってしまうこともあるので、なるべく低い所で買いたいわけです。
「トレンドで順張りかつ短期で逆張りのタイミング」と憶えておきましょう。
FXのパーフェクトオーダーの設定手順とは？
パーフェクトオーダーによる分析を行うには、MT4で移動平均線を設定する必要があります。
その手順を解説していきます。
まずはお持ちのMT4アプリケーションを起動してください。
次にナビケーターを表示し、インディケータ→トレンドの中にある「Moving Average」を見つけ、チャートに設定していきます。
上図のように、Moving Averageを3つ設定していきます。
各パラメーターに関しては、
短期：15~30
中期：50~80
長期：200~300
で設定していきましょう。
※厳密な決まりはないので、好きな数値でも大丈夫です。
また、期間別に線の色を分けてあげると区別を付けやすくなるのでオススメです。
チャートに3つの移動平均線が表示されれば、パーフェクトオーダーを分析する準備は完了です。
FXパーフェクトオーダーの見方とは？
上昇方向のパーフェクトオーダーは、上から短期→中期→長期の順番で移動平均線が並ぶ
下降方向のパーフェクトオーダーは、上から長期→中期→短期の順番で移動平均線が並ぶ
これらの条件を満たした時に、パーフェクトオーダーだと判断します。
上図は「上昇方向のパーフェクトオーダー」になります。
見つけること自体は非常に簡単なので、色々なパーフェクトオーダーを探してみましょう。
非常に綺麗な形を作っているものもあれば、ギザギザしていて今にも形が崩れそうなものもあると思います。
パーフェクトオーダーを用いたトレードでは、前者の「非常に綺麗な形を作っているもの」を狙っていくことが望ましいですね。
FXのパーフェクトオーダーを使う場合の注意点とは？
パーフェクトオーダーは3本の移動平均線を見れば簡単にわかりますが、よく見ると多くが長続きしない結果となっています。
複雑な値動きを含んだレンジ相場にパーフェクトオーダーに見える移動平均線の形が頻発することもありえます。
「パーフェクトオーダーらしきもの」
それが本物のトレンドなのかを疑って見極める慎重さが必要です。
そもそもパーフェクトオーダーを用いたトレードは、勝率が決して高くありません。
損切り前提のトレード手法なので、「ダメだったら確実に損切りする」という防御力が必要です。
まとめ
パーフェクトオーダーでは上昇トレント・下降トレンドを示し、チャート分析手法としてはとてもわかりやすく使いやすい分類です。
一方で、実際のトレードにおけるエントリーポイントを探るのはなかなか難しく、勝率は30％から45％と高くはありません。
しかし、その勝率の低さを補って余るほどの「トレンドフォローによる大きな利幅」で、利益を出していく手法となります。
損切りとトレンド発生の見極めが肝心となり、これさえしっかりできればかなりの成果が望めます。
